辛坊次郎が自分の番組で、「若いのがこの結婚式の中継を見てディズニーランドみたいと言っていた」と苦笑いした。言い得て妙だ。つまり、筆者もかつてのチャールズ皇太子と亡きダイアナ妃とのロイヤルウエディングに比べて、「何か違う」と掻痒感があったのだが、様式もそっくりにもかかわらず威厳や荘厳さが全く感じられなかったことだ。花嫁が式の間でも、恥じらいを示すどころか、あっけらかーんと客の方を眺めていたりして、およそ感動とは程遠かった。
英国国民の5割が関心がないと言っているのは、筆者の感じたことと無縁ではない。ダイアナの一連の不倫騒動やチャールズとの離婚が、王室の権威を失墜させたばかりか、庶民の内実より低俗だと軽蔑された。ダイアナの死によって彼女は偶像にはなったが、後継ぎのウイリアムはどう見ても魅力的でないし、20代で頭頂部が禿げているのもダサい。キャサリン妃もどこか品がない。前途多難だ。
日テレの同時通訳は大僧正の宣言を「この男性と女性」と訳したが、BS1の通訳は「この男と女」と訳した。一見「男と女」と訳すのは乱暴な言葉のように聞こえるが、偉い僧侶が若い男女を見下ろして神の前で結婚を許す趣旨からすれば、「男と女」でいいのかもしれないとも思った。こうした中継では同時通訳の力量が試される。
それにしてもカミラ夫人の風呂桶みたいな帽子といい、ウイリアム王子の真っ赤な軍服といいアングロサクソン系はセンスが悪い。
(黄蘭)
注目情報
PR