浅見光彦SPよくできたドラマに水差した手抜き劇伴

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「内田康夫30周年記念2夜連続特別企画 浅見光彦シリーズ 第40弾 棄霊島 第1夜」(フジテレビ)2011年5月6日21時~
「同 浅見光彦シリーズ 第40弾 棄霊島 第2夜」(フジテレビ)2011年5月7日21時~

   光彦坊ちゃまが中村俊介になって以来、あまりにもルックスだけの大根役者なので見なかったのだが、スペシャル企画の、かの軍艦島でロケをした作品なので2夜とも視聴してしまったのだ。かつて筆者は自分のコラムで、廃墟になった軍艦島のドキュメンタリーの秀作を取り上げて褒めたら、週刊誌を出している出版社の別のセクションに当該作の関係者がいて、いたく感謝されたので吃驚仰天したことがある。石炭時代の悲しい亡霊が今も残っている島である。

   ルポライターの浅見(中村俊介)が平戸の取材で知り合った元刑事の後口(左とん平)が、九州から遠く離れた静岡で遺体となって見つかり事件の幕が開く。端島(軍艦島の正式名称)神社の宮司が殺された36年前の事件や、宮司の家族や、また石炭全盛時代に島に派遣された旧制東京帝国大学出身のエリートたちが複雑に絡んでいて物語はなかなか面白い展開をする。産業界の大物(神山繁)と教育界の大物(大滝秀治・好演)の戦中派同士の清濁併せ呑む友情がベースにあり、ただ単純な謎解きではない奥行きもある。

   惜しいのは劇伴である。肝心の時に版権の切れたモーツァルトのレクイエムを使ったりして安直この上ない。スペシャル作品ならばちゃんとした作曲家に新曲を委嘱するべきである。また、大滝の孫のピアニスト(星野真里)が弾くショパンの吹き替えが下手っぴーで興醒め、音大生を使ったのか? 出演料をケチったんだな。

(黄蘭)

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