都合のいいデータしか人は信じない-番組向けアンケート調査の大失敗

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   先日、内閣府から発表された20代、30代男女の「既婚率の調査」「結婚に関しての意識調査」が、なかなかくだらなくて面白かった。独身者で恋人がいない率は6割を越え、結婚時に意識するのは1位性格、2位経済力と出ている。年収200万円未満と300万円、正社員と非正社員の男性とでは既婚率で圧倒的な差が出ており、結婚の大きなキーワードが経済力であると国も保障してくれたようなもんだった。

   未婚化が進んだ理由を国の偉い人たちもわかったよとでも言いたいのだろうか。ばっちりデータ対象のわが身としては、恋人なし6割におおいに共感し、まだまだチャンスはあるじゃんか!と鼻息荒くなったりもしたが…。

予想結果と違いすぎてボツ

   さて、本当に世の中は様々なデータでもちきりだ。そしてランキングを作りたがりだ。データがあるとなんだか自分の位置や価値観を確認できた気分になり、世の中の流れも分かるように錯覚してしまう。さすがに国のデータはどうかわからないが、大半のデータは収集側に沿った結果が出るように、半ば誘導尋問的に行われていることが多い。自分たちの思惑に信憑性を持たせるのが目的の調査なわけだから、大幅にずれてしまうと大変困ってしまうのだ。

   ある番組で30代から40代の女性をターゲットにアンケート調査をしたことがある。3週間あまりの期間で有効回答は1000人。高回収率にこれは有効なデータ(もちろん制作側とって)だろうとスタッフ全員が意気揚々。調査は「40代独身女性、今から恋人にするなら、年下?同年齢?それとも年上?」といういたってくだらない質問。40代女性をターゲットにした雑誌でも同様な質問があり、そのデータによると圧倒的に年下と答えた女性が多かった。当然、私達も「次の恋人は年下」と答える女性が多いだろうと淡く期待していた。が、結果は答えがバラバラで統一性がなく、思惑は見事に裏切られてしまったのだ。恐らくテレビ局が管理している視聴者ファンサイトを利用し、解答者数が1000人と比較的多かったことが原因だろう。マーケティングがはっきりしている雑誌媒体と趣味を問わないテレビでは、アンケート結果にも大きな差が出てしまったのだ。当然、この質問は番組内でボツとなった。

仰天した40代女性のある買い物調査

   20代後半から40代をターゲットにした女性誌の編集長がこんなことを言っていた。

「雑誌は消費の手助けやアドバイスをしてあげる媒体です」

   ファッションのコーディネートもライフスタイルも、どういうものにお金を使えばオシャレになるのかをナビゲートしてくれるのが雑誌。しかし今や、そのナビを微に入り細を穿つていかないと消費者である読者は納得してくれないのだそうだ。カーナビの「目的地周辺に着きました」ではダメなのと同じように、購買行動にもただ流行りそうだからではなく、着た結果をより詳しくイメージできるよう、最近では半ば言い切り型にまでするようになってきているらしい。

   そういえば某雑誌の中吊り広告に気になるデータが。40代女性がひと月にかける衣服代3万円とあった。ウソだろ!そんなにオバサンたちは買い物をしているのか。たった1か月で何をそんなに買い漁っているのかと半ば呆れつつも興味深々。思わず書店で雑誌を手にした。私もまんまとデータに引っ掛けられてしまっている。

モジョっこ

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