原発作業員1200人支える「湯本温泉」-もてなしで応援が私たちの役目

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   福島第1原発から50キロ南にある湯本温泉がいま、原発作業員の休養基地になっている。毎日早朝、東京電力と書かれたバスが協力会社の作業員たちを乗せて原発へ向かう。その数1200人。 温泉自体も立ち直った。

放射性物質持ち込まないが条件

   湯本温泉は3月11日の震災で、水道、ガスが止まって営業ができなくなった。宿泊のキャンセルも続き、閉館の危機に追い込まれる旅館も出た。

やさしい土地柄

   風向きが変わったのが3月下旬。東電から原発作業員1200人の宿泊申し込みがあった。旅館組合は放射性物質の持ち込みをしないという条件をつけてこれを受け入れ、原発復旧作業を温泉全体で支えることになった。一部避難者も受け入れ、逆に一般の予約は断るような状態だ。

   「こいと旅館」の女将・小井戸文恵さん(45)は、「多い時は80人くらい。家に帰ってきたようなあたたかい家庭のおもてなしを心がけている。がんばってください。助けてくださいと」という。

   ここはかつて炭鉱の町で、イメージとしては炭坑の作業員とダブるところがあるのだそうだ。食事どころやコンビニなど、作業員たちとのつながりもできて、街全体で支えている形だ。

   食事処「おかめ」の女将・伏見栄子さんは、「みな疲れているから、薬が欲しいといえば買ってきたり、郵便物の受け渡しをしたりもする。安心して仕事に行ってもらうのが私たちの役目」という。

毎朝「行ってきます」とバスに乗り込む作業員

   作業員のひとりは「ありがたい。やる気が出る。ボクらをいろいろケアしてくれる」と話す。コインランドリーで洗濯を助けているコンビニの女性店長もいた。商店会も旅館同様、「ピンチをチャンスに」の心だ。

   吉永みち子(作家)「湯本温泉は行ったことがあるけど、やさしい土地柄ですよ。強いストレスの中で働いている人たちには、明日への活力になる」

   大西洋平アナが現地から「作業員の方たちが『行ってきます』と大きな声で出かけていくのが印象的でした」とレポートする。

   温泉旅館組合の小井戸英典理事長も、「報道されているような悲惨な状態ではありませんね。福島のため、日本のために頑張っています。初めは放射能の恐怖とかありましたが、除染をしっかりするとか、車もクリーンにということで、温泉も復興になると受け入れた」という。

   これから夏を迎えて、作業も一層過酷になる。防護服のストレスを温泉が十分に癒してくれるか。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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