2024年 4月 26日 (金)

エジプト民主化混迷-若者グループ分裂、イスラム原理主義台頭、軍介入の懸念

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   エジプトのムバラク政権崩壊からすでに3か月。そろそろ新しい国家のかたちが芽吹いているのかと思っていたら、出口の見えない混迷が深まっているという。

   ムバラク政権崩壊の原動力となった若者たちの「4月6日運動」が分裂寸前で、その間隙を縫うようにイスラム原理主義の「ムスリム同胞団」が存在を強め、政治の表舞台に躍り出ようとしている。

   エジプトの民主化は果たして実現するのか。国谷裕子キャスターがアラブの有力紙の編集副主幹にインタビューし、エジプトの行方を探った。

米国筋の資金提供めぐり対立決定的

   人口8000万人。イスラエルと和平条約を結んでいるアラブの大国・エジプト。その行方は中東全域に広がりを見せる民主化運動の波にも大きな影響を及ぼす。

   現在、軍の最高評議会が暫定的に政権を引き継いでいるが、今後のカギを握るのは軍、民主化運動の先頭に立ってきた若者勢力、ムスリム同胞団を中心とするイスラム勢力の3グループといわれている。

   ところが、若者の民主化推進グループは活動路線を巡って大きな亀裂が生じ、2派分裂の危機にある。1つは「政権側にも野党側にも属さず、民主主義の番人として影響力を発揮できる存在になりたい」(リーダーのアムル・アリ)と従来からの路線を固持する一派。もう1つは、「独裁者から解放された今こそわれわれの出番。政党を立ち上げ、積極的に政治に参画して自らの力で民主化を推し進めなければいけない」(リーダーのタレク・コール)という一派だ。

   それぞれ自説を掲げて、一方はインターネットや携帯電話、デモで、もう片方は集会などで市民に直接アピールしている。主張を聞いていると、ご説ご尤もな面があり、足して2で割れば分裂の危機など避けられそうなのに、4月中旬に亀裂を決定づけるニュースが舞い込んだ。

   米ニューヨークタイムズが、米政府の関係する団体がアムル率いる一派に資金援助していたことをスッパ抜いたのだ。ムバラク政権を支持してきた米国から、資金援助を受けるとは許せない。反対派は「一部のメンバーはエジプトにとっていま何が大切か分かっていない。われわれは外国からの資金援助など一切受けてはならない」(リーダーのタレク)と批判。亀裂は修復不可能になっている。

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