介護ロボット先端技術「持ち腐れ」商品化に国の無関心
2011.06.10 15:31
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作り放しという「大量生産時代のクセ」
日本ではどうか。パナソニック・ロボット事業推進センターの本田幸夫所長は、「単にモノづくりの技術だけでは追いつかれる。日本も早くこうしたシステムを立ち上げ進めないと、ノウハウが海外に落ちてしまう危機感がある」と訴える。
「なぜ日本では先を見据える取り組みができないのでしょうか」とキャスターの国谷裕子。少子高齢化ビジネスを日本で研究しているドイツ日本研究所のフローリアン・コールバッハ副所長はゲスト出演してこう話す。
「製品を開発してポンと消費者の前に置くだけでは、市場で成功しない。それは高度成長期の大量生産時代の考え方ですね。大量生産時代の概念であるメイド・イン・ジャパンの信仰がまだ残っていますが、すでに通用しなくなっています。
利用者を開発のプロセス巻き込んで、一緒になって開発を進めていくことが必要な時代になっています。日本は宝の持ち腐れ。自分が持っている技術の価値を十分理解していないとも解釈できます」
あの時は良かったという復古的な傾向にとらわれていては、いくら革新的な技術開発に取り組んでいても、常に過去を拠り所として進められる。これではグローバル経済の時代には勝てないのかも……。
*NHKクローズアップ現代(2011年6月8日放送「“高齢化先進国”の強みを生かせ」)
モンブラン
文
モンブラン