藤原竜也ずれてゆく殺人計画―ロボットに復讐されるオチうまい

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   「東野圭吾3週連続スペシャル ブルータスの心臓」(フジテレビ)2011年6月17日21時~

   一流の作家が書いたミステリーには、ただ単なる鬼面人を驚かすドンデン返しの殺人話とは違ったところがある。言わずもがなだが、犯罪者の人間像が描き込まれていて、単純な恨みとか行きずりの衝動とか、トリックのための理由づけとは異なる人間心理の深層が納得いくように描写されているので、一味違った出来具合になる。

   当作もなかなかよく出来ていた。上っ面の事件だけ見れば、社長秘書の女に3人の男がいて、妊娠を告げられた彼らが、共謀して女を殺し、遺体運搬をバトンタッチして完璧なアリバイを目指すが、どっこい、上手くいかずに破綻するという、何処にでもある単純な殺人物語である。だが、そんなに簡単には終わらないのである。

   天才的なロボット設計で賞までもらったMM重工のエリート社員・末永拓也(藤原竜也)は社長の娘との結婚話が出たので、将来は会社のトップに登りつめる野望を抱いて殺人話に加担する。他の2人は社長の長男で拓也の上司と、同僚だ。秘書の康子(内山理名)は殺人者には殺されずに長男が殺される。康子は後に自殺を装って拓也に毒を飲まされる。つまり、殺人計画はずれてゆくのだ。

   オチがうまい。ロボットの開発部署で、エリートたちから人間扱いされず、「お前らよりロボットの方が大事」と馬鹿にされていたブルーカラーが牙をむくが拓也は負けずにやり返す。だが、最後の最後で拓也を襲ったのは自分が設計したロボットのアームであった。

(黄蘭)

採点:1.5
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