ブスの常盤貴子わざとらしい―東野圭吾3夜目「笑ってしまったどんでん返し」

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「東野圭吾・3夜連続スペシャル第3夜 回廊亭殺人事件」(フジテレビ)2011年6月24日21時~

   第2夜の「ブルータスの心臓」はよく出来ていて褒めたが、当作品は出来損ない。巨額遺産を残して逝った高級旅館・回廊亭主(あるじ)の49日法要に集まった親族の中に、復讐目的で加わった美女・枝梨子(常盤貴子)がいて、彼女はかつてここで起きた事件で恋人を亡くしている。元は主の秘書だったが、偽装心中で殺されかけた過去を恨み、他人に成りすまして潜入してきたのである。よくある横溝正史ばりの一族が集まった中での復讐譚だ。
   期待して見ていたのに最後でズッコケたのは、美女がかつては別人のようなブスで、復讐の為に整形手術を受けて美しく変身し、事件の真犯人を追いつめてゆくのだが、元の常盤の顏の作り方が何ともわざとらしくて興醒めだったこと。回廊亭というように、部屋部屋が独立していて、庭を通れば目立たなく他者の部屋に行けるというトリックにもってこいの建物の配置が、あまりうまく使われていなかったこと。日本の警察はそんなに間抜けじゃないぞと言いたくなる後追い振りで、いずれにしてもシラけてしまうのだ。
   推理作家による渾身の謎解きものは想像力を働かせながら文章で読んでこそ面白いが、ひとたび映像にすると隙だらけということがよくある。このドラマもその範疇である。最後のどんでん返しがまた笑ってしまう。愛して愛して、その人のために整形までして復讐に来たのに、実は彼がブスの彼女を抱きたくなかったというオチだ。

(黄蘭)

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