2024年 4月 20日 (土)

踏んだり蹴ったりニューヨーク道中―D航空よ!絶対許さん

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   あっという間だったNY研修旅行。時間があっという間に過ぎてしまったのは、単に楽しかったからだけではない。物理的に短くなってしまった理由がある。飛行機だ。

   それは、成田空港に向かうスカイライナーの中で始まった。Eメールを確認していると、搭乗予定の航空会社からメールが届いている。14時半出発が19時になりましたという。空港についてみると、何の説明もなくフライトチェンジと言われ、お詫びにと600円分の食事券が配られた。

   オソマツな立腹もののお食事券も、ただの紙切れにするには悔しい。空港内のレストランで時間つぶし。空港内のレストランは、その多くがファミレス形式に近いものかフードコートとなっているが、ひとつだけ違う。ちっともファミレス価格ではないのだ。事情を旅行通のイギリス人にぼやいたところ、空港は1度入港すると諦めて帰る人以外は出て来ることがない。とくに成田空港は周囲に何もないため、入ったら出口は搭乗口しかない状態のいわば監獄島。だから市場価格よりも値段が若干高めに設定されているのだと力説してくれた。ぐすん…、仕方がない。お食事券は中生にと姿を変えた。がしかし、生ビールだけでは口寂しい。結果的に、成田空港に想定外のお金を落としているのがシャクにさわった。

   ビールも飲んで、ひたすら搭乗口で待っていると、同じ航空会社でこんなアナウンスがされていた。

「マニラ便にご搭乗のお客様。大変申し訳ありませんが、座席数よりもオーバーブッキングの状態が判明いたしました。どなたか明日の10時のマニラ便のフライトに変更していただけませんか。変更していただけたお客様には当社のポイントを100ポイント差し上げます」

   この航空会社、日本では信じられないような事態をやらかしている。周囲の乗客はだれもがあきれ顔だ。しかし、これがひとつの暗示だったことに、その時の私はまだ気付いていない。そんなこんなで、保険の賠償金もおりないギリギリの時間、5時間半遅れでようやく離陸。これでホッと一安心。あとはNYを待つだけだ。

機材揃わず離陸延期、着陸待ちで燃料ぎれ

   11時間後――。本来ならば、あと40分ほどで着陸する。昼過ぎに着く予定が夕方になったが、まだ初日のNY観光は期待できると思っていた。が、フライト時間が12時間となっても、なにもアナウンスがない。おかしい。そんなに気流が悪いところはなかったのにと思いながら、さらに1時間後。ようやくのアナウンス。

「当機はJFKを目指しておりますが、フライトチェンジのために、JFK空港のラッシュアワーに重なってしまい、管制塔から着陸許可がおりません。さらに1時間ほど上空を旋回いたします」

   機内に溜息が洩れた。初めてのNYが遠ざかっていく気分になったのだが、これはまだ序の口だった。それから小1時間が経とうとする頃、アナウンスが流れた。

「着陸許可のために旋回していたところ、ガソリンがなくなって参りました。ニューアーク空港で給油してからJFK空港を再び目指します」

   機内は「オーマイガーッ!」の連発である。そもそもフライトチェンジになったのも機材が揃わなかったとかいう理由で、乗客をさんざん待たせた揚句が燃料不足。でも、フライトアテンダントに喰ってかかる客は誰もいない。誰もが諦めているのか。そこで妙なことを思い出した。震災後、日本人が文句を言わず並んでいる姿が世界各国から称賛されたけれど、どの国の人もガマンできる。逆に感心した瞬間だった。

   成田離陸から15時間ぐらいたったころ、「JFKより着陸許可が下りました」とのアナウンス。というわけで、当初の予定より8時間遅れてホテルにチェックインしたのは深夜。NY初日はホテルでの睡眠だけとなってしまったのである。

開き直ったスタッフ「飛行機ぃ~は、いろいろあるじゃないっすかぁ」

   さあ、こんなことがあったので、帰国便はなんとかまともに飛んで欲しいと思ってチケットを見ると、行きと同じD航空(頭文字出してしまったのは、だんだんと怒りがこみ上げてきたからでしょうか)。埋め合わせとして、絶対にアップグレードをしてもらいたいと貧乏症がムクムクと頭をもたげる。直談判することにしたのだが、何人ものD航空の社員に問い合わせても、返ってくるのは同じ答え。

「搭乗ゲートに行って、そこで文句を言って下さい」

   搭乗ゲートに行くと、今度は社員が1人もいない。待つこと1時間。遠くから「エニィクエスチョンズ? 何か質問のある方はいらっしゃいますか」と声が聞こえて来る。おぉ、やった! 見れば50代前半とおぼしき黒髪美しい日本人女性のスタッフがいる。私は勇みよろこんで手を上げた。が、これがこの旅行の最後の悪夢となった。懇々と彼女に説明したところ、返ってきた言葉を忠実に書き起こしてみよう。

「あ~、それダメなんですよ。つぅーかっ、飛行機ぃ~(これは語尾を上げて)は、しょせん、天候とかぁ、いろいろあるじゃないっすかぁ。だからダメなんですよ。えっ? 機材の不備?  う~ん、でも飛行機っていろいろあるからぁ~(再びの語尾上げ)、もういいですか、ゴメンなさいね~。エニィクエッションズ? 何か質問のある方はいらっしゃいますか~」

   そう言いながら彼女は去って行った。思わずのけぞったのは私だけでしょうか。いいえ、誰でも、と続けたくなる。ちなみに、D航空のキャッチコピーは、たしかこんな意味だったはず。

「最大ではなく、最良を」

モジョっこ

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