「パレスチナ独立」で中東問題動き出すか―米オバマ方向転換

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   これまで停滞していたイスラエルとパレスチナ暫定自治政府間の中東和平交渉に変化が起きようとしている。きっかけは先月、アメリカのオバマ大統領が、中東和平交渉は1967年の中東戦争以前の境界に基づいて進められるべきだとする、これまでのアメリカ政府では考えられない一歩踏み込んだ見解を表明したことだった。イスラエルは猛反発しているが、国谷裕子キャスターは「イスラエル・パレスチナともに地殻変動を起こそうとしているように見えます」と語る。

9月の国連総会で各国に要請

   新しい変動としては、同じパレスチナ人でありながら、長年対立してきたファタハと欧米諸国からはテロリスト組織と見られていたハマスが和解し、今年9月(2011年)の国連総会で独立国としての承認を各国に求める方針を打ち出したことがある。パレスチナの若者の間でも、いつまで武装闘争を続けるつもりなのかとハマスを批判する声も高まっている。

   一方、イスラエル国内でも安全保障の面でパレスチナ側にある程度の譲歩はやむを得ないというムードが強い。これについて、ゲストの立山良司(防衛大学校教授)は「イスラエル国民の半分以上はパレスチナとの和平を望んでいると言われています。しかし、実際にその道に踏み出したとき、本当にもうテロの対象とならないのかという不信感が色濃く残っています」と解説する。

   イスラエル政府がパレスチナ独立問題に柔軟に対応しようとしているのは、「国際社会でイスラエルが孤立することを恐れているのです。これまで比較的親密だったトルコも、最近はイスラエルと距離を取り始め、アラブ諸国で話のできたエジプトのムバラク政権は崩壊してしまった」(立山良司教授)

アジア・アフリカ120か国が承認の方向

   国谷が「パレスチナ独立の可能性はどのぐらい?」と聞く。

   「すでに国連加盟のアジアやアフリカ諸国120カ国が承認の方向で動いている。しかし、たとえ国連で承認されたとしても、まだ書類の上の独立国。ガザやウエストバンクに住むパレスチナの人たちに完全な自由が保障されたわけではないので、その時どうするのか。ここがパレスチナの大きな賭けになることは間違いありません」(立山良司教授)

   国谷は「アメリカの指導力低下も影響しているのでは?」と結んだ。アメリカの「これ以上中東問題に深入りしたくない」というのが背景にありそうだ。

NHKクローズアップ現代(2011年6月30日放送「瀬戸際の中東和平 パレスチナ独立めぐる攻防」)

文・ナオジン

文   ナオジン
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