2024年 4月 25日 (木)

がん緩和ケアに主治医の壁―静岡がんセンターの先進的取り組み

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   日本人の死因第一位となっている病気「がん」。番組によれば、日本のがん医療はこれまで遅れていて、地域によって受けられる医療に格差があるなどの問題があったという。

   5年前に「がん対策基本法」が成立。以来、拠点病院を全国に整備し、最新の放射線治療機器を助成するなどした。がんの薬物療法専門医を育成する取り組みも行われている。また、手術に頼りがちだった治療法も、放射線治療、抗がん剤治療、緩和ケアなどを患者に最適に組み合わせる総合的な「チーム医療」が目指されているという。

   しかし、ここで番組は課題・問題を発見したらしい。チーム医療の「チーム」内連携が不十分で、とくに患者の心と体の痛みを和らげる「緩和ケア」の立ち後れが目立つという。番組を見る限り、主治医から軽視されているという感じである。

痛み訴えても聞く耳持たず「我慢しなければいけない」

   あるアンケートによれば、緩和ケアを受けなかった人のうち約4割が「受けたくても受けられなかった」「受けられると知らなかった」と回答しているという。

   がん患者の男性がこう証言する。地元の病院の主治医に痛みを訴えても、「『痛みは我慢しなければいけない』と言われた。真剣に訴えを聞いてくれている感じはなかった」。この医者は、病院内に緩和ケアの専門スタッフがいることも教えてくれなかったという。

   一方で番組は、緩和ケアを充実させている先進的な例として県立静岡がんセンターを紹介する。ここでは、緩和ケアは終末期から――という従来の常識を覆し、治療と平行して積極的にケアを行っている。

   また多くの病院で治療は医師、主治医主導であり、緩和ケアを専門スタッフに依頼する権限も主治医が握っているのに対し、同センターでは、看護師、薬剤師ら、患者の痛みに気づいた病院スタッフが誰でも依頼できるシステムになっており、スタッフ間の連携が強化されている。同病院の患者からは、痛みがなくなったことで、気持ちの余裕ができ、治療に前向きになれるといった声が聞かれた。

NHKクローズアップ現代(2011年7月26日放送「変わる『がん医療』の現場)

ボンド柳生

文   ボンド柳生
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