2024年 4月 19日 (金)

「中国鉄道事故」動きはじめた幕引きシナリオ―異例の首相訪問で「もう黙れ!」

   中国・温家宝首相は高速鉄道の事故現場を訪れて献花し、内外の記者約100名の会見にも応じた。

「大地震などの際に温家宝首相が現地入りしたことはありますが、事故の現場を視察したのは初めて。異例な視察と言えます」(阿部祐二レポーター)

   首相訪問をきっかけに、事故犠牲者の遺族からの批判や責任追及がピタリと止んだ。「首相まで来たのに、これ以上文句は言わせん」と言うことなのだろう。

「信号機の欠陥」だけじゃ事故起きない

   国務院・事故調査チームは事故原因を、温州南駅の信号機に設計上の重大な欠陥があり、そのために落雷で信号機が故障し、赤信号にならなかったためをしている。

   阿部は「果たして信号機の欠陥は本当なのだろうか」と、鉄道事故に詳しい東洋大学教授の須長誠(鉄道工学)に聞いた。

「にわかには信じられないことだ。もし故障が生じれば信号はすべて赤になるはず。中国の鉄道システムは日本やカナダなど各国の技術の寄せ集めで作られている。そのために、コンピューターシステムに欠陥が生じ、それを隠そうとしているのではないでしょうか」

   事故直後に事故車両を埋めてしまったことについて、中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰はこう推測する。

「事故原因を科学的に検証する気がなかったので埋めてしまったのでしょう。しかしその後、内外から批判が高まり、共産党中央が掘り返せという指示を出したと思われます」

独自の裁判所・警察持つ鉄道省

   コメンテーターの八代英輝(国際弁護士)「中国鉄道省は独自の警察や裁判所もあって、絶大な権力を持っている省庁。共産党中央でさえ手を焼いている組織だといわれています」

   キャスターのテリー伊藤「事故原因は信号機の設計上の欠陥で人的ミスとしているが、鉄道省が直接、高速鉄道を経営しているわけでしょう。本気で事故原因を調査する気があるのか」

   いずれ、トカゲの尻尾を処刑して一件落着というシナリオが動いているのだろう。

文   ナオジン| 似顔絵 池田マコト
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