怪談ものバラエティーで祟り!?大道具さんの指が吹っ飛んだ

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   こんな仕事をしていると、いかなる番組もライバルであり、よき教材となる。たとえ興味の全くない番組でも、進め方や構成の仕方、出演者のキャスティング、ナレーション、テロップの入れ方とどれもが勉強になる。だから、テレビのチャンネルをチャカチャカかえて、一つに絞って見ることがない。CMのタイミングになると別番組にしてしまう。実家に帰ってもこの調子だから、家族から苦情が出る。それでいてスイッチを切ることは滅多にないが、先日、咄嗟に消した番組があった。自分でも驚いたのだが、どうしても見たくなかったのだ。

思わずスイッチ切ったやり過ぎセット

   スイッチを切ってしまったのは、この時期に多い怪談ものを扱った番組。もともと怖い話や超常現象ものが嫌いなのだが、たまたまつけたテレビで見てしまったのだ。番組スタートは実録怪談を語るVTRで、テロップや照明でいかにもおどろおどろしい雰囲気の中、僧侶が一人で喋っていた。この時点では、まぁよくある手だなと思いながら見ていられたのだが、スタジオに映像が切り替わった瞬間、スイッチを切った。スタジオセットがすごかったのだ。出演者の周りをぐるりと取り囲むように置かれていたのは、朽ちかけた墓石とボロボロの卒塔婆。照明は暗く、さらに赤や青のライトで墓石を下から狙って浮かび上がらせる演出。これを見て、もうダメ!と私はスイッチを切った。

   個人的には2週間ほど前に親しかった人が亡くなったばかりなので、心情的に辛いところもあるのだが、でもこれはそういう問題ではない。あそこまでリアルに墓地を再現したセットを作るスタッフの気持ちは、いったいどこから来るのだろう。放送日はくしくも震災から数えてちょうど5か月目。いくらお盆とはいえやり過ぎではないか。

お祓いしてお札貼ったはずが…

   そもそも、テレビや舞台などで怪談ものを扱う際には、入念にお祓いをするのが決まりになっている。私も一度だけ怪談ものを手掛けたことがあるが、その時に先輩から口酸っぱく注意されたものだ。その先輩が教えてくれた話から一つ紹介しよう。

   あるバラエティーで雪女のコントがあり、大型扇風機で紙吹雪を飛ばすことになった。スタッフ全員がお祓いを受け、入念に小道具や扇風機のコンディションを調整、スタジオ各所にお札をいくつも貼った。とくにスタジオドアは外部から霊気が入るから気を付けるようにとプロデューサーからもお達しが下ったという。

   だが、事件は起きた。リハーサルも無事済み、さて本番。雪女登場シーンで、紙吹雪ではなく大道具さんの指が飛んだのだ。もちろんコントは中止。あれだけ入念に準備したのになぜと不審に思ったスタッフが、スタジオ内をくまなく見て回ったところ、あることに気が付いた。スタジオドアに貼ってあったお札がきちんと貼られておらず、ドアの開閉のたびにペラペラと宙を舞っていたのだ。

   こんな話は語り継がれているはずなのに、前述の番組が敢えておどろおどろしいセットにしたのが不思議でしょうがない。怪談ものでは過剰なセットは差し控えるべきなのかと勉強になった次第――。

モジョっこ

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