渡辺謙貫禄負け―マイノリティ差別拒否した日系米運輸長官の風格

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「渡辺謙・アメリカを行く 9.11テロに立ち向かった日系人」(NHK)2011年8月15日19時30分~

   9.11同時多発テロの時に運輸長官であった日系2世のノーマン・ミネタ(日本名・峯田良雄)は、テロ勃発の時に、人種プロファイリングは間違っていると拒否した。つまり、アラブ系やイスラム系ならば何でもかんでも怪しいと差別して飛行機から降ろすというやり方は正義に反すると主張してのことであった。それは1931年生まれの彼が11歳の時に、第2次世界大戦の勃発によって、日系人がルーズベルト大統領の命令で、荒涼たる砂嵐吹きすさぶワイオミング州のハートマウンテン強制収容所に隔離された経験から出たものであった。全米で10か所もの日系人強制収容所があったのである。

   1988年に議会で可決成立した442号法案は、日系2世の442部隊がアメリカのために欧州戦線で勇敢に闘ったことを顕彰する法律だと筆者は認識していたが、今回別の側面を教えられた。ミネタらが議会で訴えたのは4項目あり、「強制収容は不当だった。謝罪しろ。以後日系人差別は間違いだと教育しろ。補償金を払え」であった。レーガン大統領が演説で詫びているニュース映像も確かに出た。

   80歳だが矍鑠としたミネタ、英語と日本語をチャンポンに操っての渡辺謙との会話だが、アカデミー賞にノミネイトされた一流俳優の渡辺が、残念ながら小柄なミネタに全くの貫録負け。渡辺は過去の映像を見て講釈垂れる若造にしか見えず、風雪に耐えたマイノリティの芯の強さがミネタに風格さえ与えていたのは感慨深かった。

(黄蘭)

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