2019年 7月 23日 (火)

島田紳助の首と引き換えに吉本興業が描く筋書

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   島田紳助の突然の芸能界引退には驚いた。いろいろな話を総合すると、引退の理由は次のようだ。

   10数年前、「紳助の人間マンダラ」という番組で、トロトロ走っている右翼の街宣車に文句をつけ、「菊の御紋」を侮辱するような発言をしたことを自慢そうに話したことがあったそうだ。それに稲川会系の右翼団体が激怒し、連日、抗議行動をするようになった。困った紳助が、知人の元ボクシング世界チャンピオン・渡辺二郎(2007年に恐喝未遂で起訴、上告中)経由で、山口組系の極心連合会・橋本弘文会長に解決を依頼し、事なきを得、それが縁で、付き合いが深まっていった。

   今回、2人の親密さをうかがわせる携帯メールを、吉本興業の経営陣から突き付けられ、紳助は引退を決意したそうだ。これは詐欺罪で起訴され、上告中のタレント羽賀研二の恐喝未遂事件を捜査していた警察が押収した資料の中にあり、警察から吉本側に事実確認があったのだろうと推測される。

   紳助は会見で、「僕の中ではセーフだと思っていた」「この程度で引退しないといけない。芸能人は注意してほしい」と、それほど親しい関係ではなかったことを強調し、6本ものレギュラーを抱え、芸能界で築いてきた地位を、「この程度のスキャンダル」で捨て去る自らの潔さをアピールしていたが、本当にそうなのだろうか。

大慌てで引退劇突っ込んだ「週刊文春」「週刊新潮」

   会見直後からネットには、木曜日発売の「週刊文春」か「週刊新潮」がこのことを記事にしているから、発売前に引退会見をしたのだろうという期待を込めた憶測が溢れた。今朝(2011年8月25日)、朝刊を広げて新潮と文春の広告を見た。新潮は「暴力団で墓穴『島田紳助』の真っ黒な履歴」と誌名に被る形でなんとか細長く入れ、文春は「『黒い携帯メール』全文入手!島田紳助芸能界追放!本誌が掴んだ全真相」と特筆大書。さっそく駅のキオスクで買い求め読んでみるが、新潮は小さなコラム記事、文春も広告の大きさのわりにはわずか1ページ半で、最終校了日に締め切り時間を延ばして突っ込んだ記事である。しかし、あわてて作った記事にしては要所は押さえてある。文春の底力だろう。メールは以下のような文面だったようだ。

「橋本会長が(紳助が)ミナミでやっている店に来てくれた。(代金以上の)大金を置いて帰ったんやけど、どうしたらいいんかな」
「今日橋本さんの顔を見ました。元気そうでほっとしました」

   一見何でもない内容だが、文春によると2人は家族ぐるみの付き合いだったそうだ。

「橋本氏は紳助さんを神戸まで連れていって、ブティックで買い物をさせたりしていました。(中略)また、紳助さんの大阪の自宅でホームパーティを開いた際には、橋本氏を招待したこともあるなど、家族ぐるみの関係を続けていました」(紳助の知人)

   その橋本会長も05年に競売入札妨害容疑で逮捕されている。大阪府警が家宅捜索を行ったときの模様を、ジャーナリストの森功氏が語っている。

「府警の刑事によると、橋本会長の妻と紳助がスナックで撮った写真や、紳助が彼女にあてた直筆の手紙も押収したそうです」

   今朝のスポニチ(スポーツニッポン)が「うそバレた紳助 山口組No.4との同席写真あった」と1面で書いているのはこのことだろう。自宅の地元住民とのトラブルの時も、「ウチには、山口組も出入りしとるんや」と言い放っていたようだ。

   会見直後、紳助は潔く引退することで「あいつカッコいいやん」という雰囲気をつくり、自分の番組「行列のできる法律相談所」でスターに仕立て上げ、大阪府知事にまでなった橋下徹と組んで、政治家になることを目論んでいるのかと邪推したが、どうやらそれも難しそうである。スポニチで橋下知事がこう話しているからだ。

「大阪府でも暴力団排除を掲げている。僕はその旗振り役。『あれくらいの付き合いぐらい、いいじゃないか』とは、言えない」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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