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滝口順平死去―とり・みき「本番中に真顔でギャグ飛ばす人」

   日本テレビ系「ぶらり途中下車の旅」のナレーションやアニメ「ヤッターマン」のドクロベエ役などで知られた、声優の滝口順平さんが8月29日(2011年)、胃がんのため亡くなった。ツイッターやブログを通じて、声優をはじめとする関係者らが追悼コメントを寄せている。

「いつもきちんとした身なりでいらっしゃった」

   プリキュアシリーズで主人公・美墨なぎさ役をつとめる本名陽子は、滝口さんの訃報を聞き「哀しみで胸がいっぱいだ」と書いた。はじめて会ったのは中学生のころで、最後に一緒に仕事をしたのは昨年。「いつも笑顔で優しい方だった。現場にはきちっとした服装で来られ、端の方の席によく座られていたのを思い出す」と伝えている。

   滝口さんの服装のことでは、アニメや吹き替えで活躍する落合弘治も「ネクタイを締めていたり、いつもきちんとした身なりでいらっしゃって、迫力のある台詞をいう姿に憧れておりました」と述べ、故人を偲んだ。

   「北斗の拳」のナレーター、やられ役の悪党の声で知られる千葉繁。あるアニメでの仕事後、「千葉さん、この後時間有りますか?」と滝口さんに声をかけられたことがある。「はい、時間はありますが」「そうですか、じゃ~、一杯やりませんか?」と誘われ、スタジオ近くにあった店で飲み、やきとりを食べたことが思い出だという。

本番中、真顔でギャグを飛ばす滝口さん

   また、漫画家のとり・みきは「ベテラン諸氏へのインタビューで必ず名前が挙がるのが滝口順平氏だった」といい、滝口さんの本番収録中の裏話を披露した。それによると、滝口さんはリハーサルや台本になかったことをアドリブで、しかも真顔で、あの声でギャグを飛ばすものだから「吹いてしまう被害者続出」。「当時はリールの途中でNG出すとまた最初から録音し直すはめに」と懐かしそうに語っている。

   「キン肉マン」「名探偵コナン」などで声優を務める神谷明は、初期のアニメで活躍する滝口さんを見て育った。8月29日のブログによれば、自身が仕事をはじめてからは、一緒になることも多かったそうだ。「滝口さんは、磨き上げられた演技と共にアドリブの天才でもありました。計算しつくされたアドリブに、スタジオ中が沸いたものでした」と振り返っている。