2020年 1月 18日 (土)

紳助引退騒動「マンガやね」一笑に付す山口組系元最高幹部

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   週刊誌は世の中を映す鏡である。いまの世の中は週刊誌を読むとどう見えてくるのだろうか。3・11以降は当然ながら東日本大震災、とくに原発に関する記事で溢れかえった。

   大震災から半年が過ぎようとしているが、いまだがれきの処理は進まず、原発事故の処理のほうもメディアが頻繁に伝えなくなっただけで、安定した状態からはまだほど遠い。1、2、3号機は大量の水を注入しているから温度は安定してきているようだが、高濃度の放射能汚染水が漏れ続けているはずだし、溶け落ちた核燃料がどうなっているのかわからないから、いつ爆発が起きても不思議ではない。まだまだ予断を許さないのだ。しかし、このところ週刊誌から原発関連の記事が消えつつある。

メディアから消え始めた原発報道―再稼働へまっしぐら

   今週の「週刊朝日」は福島第一原発完全ルポと謳って、「原子炉建屋の中は木っ端みじんだった」と8月末に東電幹部の案内で原発の敷地内へ入ったことも含めてルポしている。その他にも「元原発作業員らが語る被曝の現実」「セシウム不安で21世紀の『米騒動』勃発」など盛りだくさん。

   「サンデー毎日」も「関東圏180地点放射能汚染地図 都心に潜むチェルノブイリ級」と、埼玉三郷市は一時移住レベルだと警鐘を鳴らしているし、「フライデー」は「カザフスタン共和国セミパラチンスク核実験場『数十万の被爆者たち』」、「AERA」には「私の被曝量を計算する」がある。

   だが、放射能は怖い怖い報道で部数を伸ばしてきた「週刊現代」には放射線の影響に詳しい大学準教授2人の対談「被曝と遺伝 本当のことを話そう」があるだけだし、「週刊ポスト」「週刊新潮」、現代とともに煽り派の先頭を切っていた「週刊文春」には1本もない。

   ポストの巻頭大特集は「〈全国民必読!〉天皇家の健康法 医療・食事・日常生活」だが、長い間週刊誌を見てきているが、これほど「なぜ、いまこの特集をやらなければいけないのか」がわからない記事も珍しい。

   もちろん発足した野田佳彦内閣への批判記事はどこもやっているが、各誌が最も力を入れているのが島田紳助スキャンダルである。現代の編集者が私にこういった。

「放射能が危ないとやってきて、おかげさまで部数も好調でした。だが、他誌でもガイガーカウンターをもってあちこち測りだしたので、さすがにそれで部数を維持するのは難しくなってきた。次にどうするか悩んでいたところに神風のような紳助スキャンダルが起きて、最初の号は完売でした。ですが、この話がどこまでもつのか。原発、紳助の次にどんな記事をやればいいのか、難しいところです」

   というわけで、日本最大の問題である原発報道は隅に追いやられ、かつて第五福竜丸の死の灰やJCO事故のあとのようにメディアから消えて行き、原発再稼働へとならないだろうか。

   今夏、日本中を巻き込んだ節電フィーバーのおかげもあって、原発がなくても電力は十分に足りたのに、東京電力は来年に値上げを検討していると、無批判にマスメディアが報じている。だが、この報道に違和感を感じるのは私だけではないはずだ。節電だ、料金値上げだと恫喝して、何としても原発を再稼働に持ち込みたい東電、官僚、政治屋たちがいる。

   野田総理が臨時増税をぶちあげれば、大新聞はその是非を云々するのではなく、党内の批判をどうかわすのかという政局へ読者の目をもっていこうとする。この国のジャーナリズムは、福島第一原発と同じで、正常に機能しなくなっている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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