2024年 4月 18日 (木)

割れる福島浪江町避難民「新しいふるさと作ろう」「いや帰りたい」

   9月12日(2011年)で、福島原発事故による住民たちの避難生活は半年になる。国の除染作業がいつ始まるのかも示されないもどかしさのなか、ふるさとへ帰れるのか帰れないのか、離散もやむを得ないのか、避難者たちは岐路に立たされている。

「オレは独身だから帰る」
「でも、ふるさとへの愛着だけでは生きられないからなあ」

   若者のなかには、戻ることを断念して新天地を求める動きも出始めているという。役場はそうした流出が続けば町の存続はないと危惧する。葛藤が続く福島県浪江町の避難者たちの姿を追った。

メドたたない除染作業

   いまだに高濃度の放射性物質で汚染されたままの警戒区域(原発から20キロ圏内)と計画的避難区域(同20~30キロ圏内)。そこから逃れ避難生活を強いられたまま、戻ることができない人は8万8000人に及ぶ。国は2年以内に汚染地域の放射線量をおよそ半分に減らす基本方針を打ち出しているが、はたして除染によって安全に暮らしていける場所になるのかはまったく不明だ。

   それだけに、町全体が警戒区域と計画的避難区域にまたがる浪江町の避難者たちは揺れている。人口2万1000人のうち、3分の1の7500人が県外で暮らしていて、他の町民も県内の仮設住宅で避難生活を強いられている。

   国は今秋には除染作業に取り掛かり、年明けまでには避難区域の指定解除に向け検討に入るとしてきた。ところがその後、国から詳しいスケジュールなどは示されていない。国の除染作業に基づき、町で全員帰還を目標に進めてきた計画は頓挫してしまった。

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