熱血・佐藤隆太やりにくそうに「無気力な技術者」好演―世界初の胃カメラ開発

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「光る壁画」(テレビ朝日)2011年10月1日21時~

   特攻隊で親友を死なせて人生に絶望していた男が、カメラメーカーの技術者として全く新しい胃カメラの開発に携わり、再び立ち上がってゆく物語である。ゼロ戦の銃器を作っていた曽根菊男(佐藤隆太)は、戦後やる気をなくし、無気力な背中を妻の京子(加藤あい)に見せながらトボトボと光学機器の研究所に出勤していた。
   東大の医師・梶哲朗(中村俊介)から、当時は世界中で誰も夢想だにしなかった胃の中を写すカメラを開発してくれと注文され、研究所でも大学でもケンモホロロに拒否されながら、ついにガストロカメラの試作に成功する。梶は教授に睨まれ、曽根は上司や同僚に睨まれ、だが、反対していた上司の松浦(萩原聖人)は味方になる。
   面白かったのは技術者の世界にいる偏屈野郎たちで、いつもマントを着たレンズの達人(市川亀治郎)や電球づくりの達人(寺島進)らが、紆余曲折ののちに協力してくれる。物づくり国家、日本の面目躍如である。昭和24年のオープンセットもよく出来ていた。
   ROOKIESの熱血教師、佐藤隆太が抑えた演技でやりにくそうだが誠実さがよく出ており、脇役にも芸達者を配して見所たっぷり。惜しむらくは特攻隊隊士(塚本高史)に悲壮感が感じられず。ご愛嬌なのは提供が1社(オリンパス)で、ハハン、ドラマのオリオン社はオリンパスのことだな。ではドラマ全部がPRということだ。しかし、自社の開発の先人を讃えるドラマとして嫌味ではなかった。

(黄蘭)

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