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筒井道隆だんだん似てきた松下幸之助。「神様の女房」どう描く?芸者との婚外子

神様の女房(NHK土曜よる9時)>

   「経営の神様」松下幸之助は最近では松下電器(パナソニック)の創業者としてよりも、今を時めく(?)松下政経塾の設立者として知られているのかもしれない。それにしても、野田総理以下、数多い政経塾出身の政治家の右往左往を松下さんが見たら何て言うかしら、と考えてしまった。

   だけど、このドラマの主人公は幸之助(筒井道隆)ではなく、妻のむめの(常盤貴子)である。さて、配役はどうか。私のイメージでは幸之助は丁稚(でっち)奉公から身を起こし、骨身を惜しまず働いて功成り名を遂げた人で、体が弱かったとは知らなかった。ただ、写真で見た記憶では、耳が大きくて顎の細い人だったような気がする。筒井道隆は気は弱そうだが、顎も張っていて、体が弱そうには見えないんじゃないかと思ったが、だんだんそれらしく見えてきた。

   むめの役の常盤貴子は明るくて聡明な妻を生き生きと演じている。むめのの父役の津川雅彦や母役の野際陽子、幸之助の姉夫婦役の石倉三郎・秋野暢子などでガッチリ脇を固めているので、、ドラマ全体に安定感がある。

   異色なのは、むめのの弟・井植歳男役のEXILE・松本利夫。創業時から幸之助と苦楽を共にし、のちに三洋電機の社長となる重要な人物で、1回目、2回目では、真っ黒な顔で実直な働き者を初々しく演じていた。EXILEの面々もソロで活躍する機会がますます多くなっているようだ。

井植歳男役のEXILE・松本利夫「実直で働き者」初々しい

   セットや時代背景なども細部まで丁寧に作り込まれている。見合いのシーンでは、芝居小屋の前に立つ幸之助と姉夫婦の前をむめのと両親がただ通りすぎるだけ。江戸時代の町人の見合いは、神社や寺の境内などで縁台に座って待つ男の前を女がただ通るだけというのが一般的だったようだ。この頃は、まだ江戸時代の風習が残っていたんだなあと興味深く感じた。

   むめのは夫を起業に踏み切らせ、内職や質屋通いまでして支えた非の打ち所のない女性である。天才肌で、やや暗くて偏屈なところのある夫をいつも明るく励ました。ただ、実際の幸之助には、芸者との間に4人の婚外子がいたことはドラマではどう扱われるのか。ちょっと気になる。

(カモノ・ハシ)