2024年 4月 18日 (木)

68歳引き上げでも年金破綻―同世代で支える事前積立方式どうか?

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   厚生年金の支給開始年齢が68歳へ引き上げられるかもしれない。厚生労働省が一昨日(2011年10月11日)、社会保障審議会の年金部会にこんな案を示した。モニバドはさっそく街の反響を探った。

進まない定年後雇用「どうやって食べていけばいいか」

   主婦に聞くと、当然のことながら、困惑と戸惑いのオンパレード。「定年後、68歳までどうやって食べていけばいいか」(夫53歳の妻)、「困ります。その間に何かあったらと思うと」(夫42歳の妻)、「夫とこのことを話していて、結構深刻じゃん、みたいな話になった」(夫37歳の妻)。

   年金支給の開始が68歳では、定年後の雇用が進まないと、会社を定年になってもすぐには年金をもらえない。定年後の収入はどうなるのか、誰しも不安になる。夫にできるだけ長く働いてもらわなくてはということになる。

   夫に何歳まで働いてほしいか。これも、当然ながら、妻の願いは同じだ。「厚生年金が支給されるまで」(夫58歳の妻)、「68歳まではフルに」(夫53歳の妻)、「夫にいつまで働くかなんて聞かないようにしている。早くリタイアしたと思っていると思うから」(夫57歳の妻)、「70歳ぐらいまでは」(夫53歳の妻)。

   一方、夫の方は、何歳まで働きたいか。「70歳なんてとんでもない。52歳ぐらい。あと5年ぐらいで休みたいよね」(47歳会社員)、「もう60歳ぐらいで引退したい。正直」(42歳会社員)。これより若い29歳の会社員は「親の方が年金をガッツリもらい、いい生活をしてうらやましいと思う」。

現役世代で高齢者支える賦課方式は限界

   根本にあるのは少子高齢化問題だ。専門家にも意見を聞く。人事コンサルタントの城繁幸は、「どんどん数が減っていく現役世代で高齢者を支える賦課方式は限界なので、これを廃止して、現役世代が自分たちの老後を世代内で支え合う事前積立方式に移行するしかない。現役世代が給料の一部を積み立て、それを運用して老後に受け取るというものです」と提案する。

   社会保険労務士の北村庄吾は「スウェーデンのような高福祉高負担か、アメリカのような低福祉低負担か。どちらを選択するか、まずこのことを議論すべきだ」という。コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日ディレクター)も、「いまは現役世代3人でお年寄り1人を支えているが、2070年には1人が1人を支えることになる。これはもう無理。大きく制度を変えないと持ちません」と抜本的な対策が必要という意見だ。

   世代間格差もある複雑で深刻な問題。玉川は積立方式を含め、近いうちにこの問題を「そもそも総研たまぺディア」コーナーでで取り上げるという。

文   一ツ石
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