都会の危うい生活より「地方」で安心・安全に暮らしたい―説明会大盛況

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   東日本大震災をきっかけに、多くの日本人が豊かさとは何かを考え直そうとしている。都市生活に危うさを感じて、食とエネルギーの自給自足に近づく暮らし方を求める人も増えている。誰もがそうできるわけではないが、この動きは広がるのか。広がらないまでも、これまでの日本を変えていくのか――。

東日本大震災きっかけに増えた食糧・エネルギー自給志向

   全国各地で開かれる移住説明会に人々が押しかけているという。キャスター国谷裕子は「背景には正社員ではなく非正規雇用が増加している現状や、ただ利益だけを求める都会のマネーゲームや企業のあり方に疲弊して、本当の豊かさを手に入れたいという人々の思いがあります」と話す。

   九州・熊本県の阿蘇山のふもとには、この半年で50人近くの人たちが移住した。都会生活の便利さよりも、自らの手で食べ物やエネルギーを作り出す暮らしを選んだ人たちだ。移住者の大半は「100%自給自足ができるとは思わないが、再び大震災などがが起きても、安心・安全な暮らしを確保したい」という。

未来を先取りするひとつの手段としての移住

   ゲストの内橋克人(経済評論家)は「昔の移住は食糧不足が大きな動機となっていました。しかし、今の移住の背景にあるのは、世界的な経済危機や食糧危機。さらにはエネルギー危機も起こり、これからの生活はどうなるのかという不安感が移住のきっかけになっています」と解説する。

   国谷「食料やエネルギーなど、生きてゆく上で欠かせないものが手に入らなくなるかもしれないという、切実な危機感が高まっているのですね」

   東日本大震災によって起こった停電やガソリン・食料の買い溜めなどを経験した首都圏では、「ハイテク優先・効率優先の都市生活がいかにリスクに弱いかを痛感したという人が多いようです」と国谷は補足する。内橋はこう語る。

「大震災や円高などで日本の企業が海外に逃げ出し、働く場も少なくなっている。そうした中で明日の生活をいかに確保するのか。その一つの手段が都会から地方への移住で、明日の生活、未来を先取りしようという試みです」

   国谷「都会から地方へという流れは、自分の生活を守りたい、取り戻したいという切実な思いが込められているのですね」

   内橋「人間としての尊厳を取り戻したいという強い思いが込められているように思います」

NHKクローズアップ現代(2011年10月17日放送「『自給力』~食とエネルギーを自給する暮らしの可能性~」)

文・ナオジン

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