高島礼子にダブる練炭殺人・早苗某~素材に引きずられた?消化不良残念

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「ラストマネー~愛の値段 全7回」2011年10月25日22時~

   初回を見た時に咄嗟に思ったのは、頻発する保険金殺人事件をヒントにしたな、ということだった。案の定これは完全なオリジナル脚本である。獄舎に繋がれている早苗某という練炭殺人の女と、登場するシングル子持ちマザー・佐々倉亜希子(高島礼子)がだぶる。7回通して亜希子が果たして殺人者かどうかの謎解きと、毎回違ったケースの保険金に関する査定のプロセスが描かれてゆく。
   過去にトラウマをもつ清和生命保険金査定部特殊案件グループの向島朔太郎(伊藤英明)が、上司の自殺の真相と愛人の亜希子の過去を探りに佐渡へ渡るのが最終回だ。結局亜希子は逮捕されるが、例えば、子供に対する愛情深さも欲の皮と紙一重で、ドラマ全体を通して白か黒かと区分け出来ない人間の複雑さや迷いは出ていた。
   忖度するに生命保険の査定の実例には、平凡な普通人の想像を絶する具体例が多くあり、取捨選択に迷ったのであろう。ドラマ全体が素材に引きずられた消化不良も窺えて、決して完成度が高いとはいえなかった。しかし、身近だが素人には手を出しにくい素材に挑戦した意欲は買うし、NHKでなければ一見地味な硬派のテーマを7回ものドラマには出来なかったと思う。
   NHK初主演の伊藤英明はクールな査定人を目指す余り演技が硬く、お世辞にも上手いとはいえない。脇のフリー調査員(松重登)や高島礼子の存在感に助けられている。続編が作れそうだ。

(黄蘭)

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