震災復興債の世帯負担「月258円か43円か」折り合えぬ民主と自民

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   野田政権が発足して2か月余りが過ぎた。閣僚の相次ぐ放言以外は震災復旧・復興でこれといった政策は一向に見えてこない。クローズアップ現代が取り上げたのは、復旧・復興の財源となる復興債の償還期間を巡る民主と自民の綱引きだ。

   およそ本筋から外れた国民の負担の割合をどうするかで揉めている。所得税、法人税の増税に加え、さらに消費税率アップの不気味な足音が響く。

償還期間で10年案と60年案

   復旧・復興の財源となる復興債を11兆2000億円の増税などで償還することにしている。この償還期間を長くすれば単年度ごとの国民負担は軽くなるが、短くすれば負担は重くなる。野田内閣は将来に負担を先送りせず、現役世代が負担すべきだとして償還期間を10年としている。これに対し、自民党は10年では国民の負担は重く、経済に与える影響が大きすぎるとし、60年の建設国債に準じた扱いにすべきだと主張している。

   番組で両者の負担の割合を試算したところ、年収500万円のサラリーマンの夫に妻と子ども2人の家庭で、民主党の10年案では年間3100円、月額で258円の負担増。自民党の60年案では年間517円、月額43円の負担増となる。

   民主・前原誠司、自民・茂木敏充、公明・石井啓一の3政調会長が合意を導き出そうとしたが、いまだに溝は埋まらない。そうした中で協議の焦点になっているのが公明党の対応。公明党支持者のなかには積極的に増税すべきだとの声が多いといわれている。石井政調会長も「自民党とは基本的には野党共闘で一緒の立場ではあるけれども、復旧・復興に関してはしっかりと自民も協力すべきだと言いたい」と民主と歩調を合わせるかに見えた。公明党が考える償還期間は15~20年で、前原もこの公明案の15年まで歩み寄る姿勢を見せたが、公明の説得も中途半端で、自民党との溝は埋まりそうにない。

はじめに増税ありきは両党同じ

   前原と茂木の両政調会長が生出演したが、やはり両者から前向きな話は出てこなかった。キャスターの国谷裕子が「自民党として具体的な対案は出さないのか」と党と、茂木は「増税を含む財源案はわれわれのほうから提案させてもらっている。償還期間の他はほとんど合意している」と言う。これに前原も「早くこの復興予算を執行できるよう持っていくことが重要なことでは自民と意見が一致している」と強調する。

   ベテラン金融エコノミストは「多少のインフレを覚悟しないとデフレ脱却はできない」とし、次のような提案をしている。

「復旧・復興の財源は公共的な部分もある。日銀が独自の判断でやっている資産買い入れオペを拡充し、日銀が財源となる国債を買い入れる手もある。なるたけ増税を減らし、60年はともかく、長くすれば国民の負担は緩和しつつ、その中でデフレ不況脱却を図ればいい」

   日銀が金融政策をいくらやっても、デフレ不況の脱却はしょせんムリ。ムリと分かっていながら金融政策で対応するのはバカげている。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2011年11月2日放送「攻防・復興増税」)

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