オリンパス元社員「陰湿な企業風土」証言―不正通報すると配置転換

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   世間を騒がす「オリンパス損失隠し」問題がクローズアップ現代についに初登場。しかし、ずいぶん遅れてきて出てきたわりには、既報の後追いでまるで目新しさがない。この問題を新聞などでざっとフォローしてきた人にとっては、物足りなかったかもだ。

   番組の主たるテーマは「巨額の損失隠しがなぜ長い間明らかに、ならなかったのか」であり、「取材から見えてきたのは、トップにモノが言えない企業体質」である。

付き従う社員だけで周囲固めた経営陣

   オリンパスはバブル期の積極的な財テクによって損失を抱え、その計上を20年以上も先送りし続けた。約10年前には時価会計がはじまり、含み損を帳簿に反映させなければならなくなった。これは損失をオモテに出すチャンスでもあったが、オリンパスは反対にアンダーグラウンドに走った。含み損を抱えた株などを海外のファンドに買い取らせる「飛ばし」を行い、損失を積極的に隠した。

   「飛ばし」は、消滅した山一証券がやっていたことでも知られる。かつて山一証券を調査した弁護士は、「隠すことに異議を唱えず、付き従う人間でまわりを固める。そのまま長期間、損失隠しが続いていく」ところに、山一とオリンパスとの共通点を見いだす。

   オリンパスでは、こうした行為は当時の財務担当の役員でのちに社長となった前会長など、少数の財務系幹部しか知らないことであったという。そして社内にはトップに口をはさめない雰囲気があった。内部通報後に、不当な配置転換をされたとして訴訟中のオリンパス社員が「きわめて閉鎖的なムラ社会、陰湿な企業風土」を証言する。

「損失大きすぎて計上できなかった」(元会長)

   こうしたことは、ほかですでにさかんに報じられている気もするが、とにかく大NHKが手ずから取材した結果、先行報道にとくに異論はなかったようである。

   NHK記者によれば、前会長は損失を隠した動機について「損失額が大きすぎて計上できなかった」と話しているという。ハタから見れば、「大きすぎ」たのは誰にとってか、自分の立場にとってではないか、と疑いたくもなる。

   水増しした買い物と、水増し(架空?)買収アドバイス手数料などによって、隠れた損失は数年前に処理し終わったとの報道もある。前会長からすれば、なんとか内々で隠し通した古傷を、みずから「外」から抜擢した新社長によって暴かれてしまった格好であり、なんだか皮肉な話ではある。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2011年11月15日放送「オリンパス損失隠し 問われる日本企業」)

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