2024年 4月 23日 (火)

「明治の粉ミルク」セシウム―熱風乾燥の外気から汚染

   明治の粉ミルク「明治ステップ(850グラム缶)』から放射性セシウムが検出された。市民団体からの指摘で会社が検査したところ、賞味期限が2012年10月の3~6日と21~24日の製品に、最大で1キロ当たり30.8ベクレルが計測された。いったい、どこで混入したのか――。

福島原発から200キロの埼玉・春日部工場

   問題の粉ミルクは、福島第1原発から200キロ離れた埼玉県春日部市の工場で3月14日(2011年)から21日までの間に作られ、9月から出荷された約40万缶で、明治では無償で交換するという。

   心配なのは乳幼児の健康に与える影響だが、乳幼児の飲用に関する暫定規制値(牛乳・乳製品で放射性セシウム134及び137の合計値200ベクレル)に比べ微量で、専門家も次のように語っている。

   「被ばく量としてはかなり低い。赤ちゃんは影響を受けやすいが、1回に飲む量は少ないからそれがもとで病気になることはない」(放射線に詳しい日大の野口邦和専任講師)

月1回の抜き打ち検査では検知できず

   製造元の明治によると、材料は3・11以前に仕入れたもので、水も検査済み。月1回の抜き打ち検査でも問題はなかったという。会社では混入した原因を次のように分析している。粉ミルクは牛乳を成分とした粉乳(輸入)や食用油を加えたものを水で溶かして調合し、濃縮したものを熱風乾燥させて製造する。熱風を起こす際に外気を取り入れるが、これに放射性セシウムが含まれていたのではと見ている。

   9か月の女児がいるタレントの大沢あかねは、「私も『明治ステップ』はお世話になっていた。離乳食が進まない乳幼児やお母さんの母乳が出ない場合に、不足しがちな栄養を補う重要なもの。国や企業でより厳しい検査をしてもらわないと…」と顔を曇らせる。

   明治としては想定外の混入だったのだろうが、意外なところに放射性物質が潜んでいる可能性があることが明らかになった。

文   モンブラン
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