豚汁だけの食堂で深夜に語られる人間模様。丁寧な作りに満足感

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深夜食堂2(TBS系水曜0時55分)>めっきり寒くなった冬の夜に、しみじみ、ほっこりしたい人におすすめ。短いけど、1話1話ていねいに作り込まれたこのドラマは、映画を1本見終わったような満足感が残る。2009年にパート1が放送され、今回はその続編である。

昭和30年代で止まっているかのような店とわけあり風店主

   まず、オープニングの新宿の夜景が美しい。左に歌舞伎町の入り口を見て、靖国通りを車のスピードで走り抜ける。バックに流れる歌(鈴木常吉「思ひ出」)は、いつ聞いてもハッとするような力があって、心をつかまれてしまう。主題歌「LOVE LOVE LOVE(嘘のつき方)」よりこっちの方がいい。

   左眼に十字の傷跡をもつワケあり風な店主(小林薫)が経営する「めしや」。深夜12時から朝7時頃までやっているので、人呼んで「深夜食堂」という。ドラマはほとんどこの店の中で展開する。店構えは相当に古く、昭和も昭和、30年代で時が止まっているかのようだ。

   基本メニューは豚汁定食だけ。あとは注文に応じてできるものなら作るというシンプルさ。いつも豚汁を仕込む鍋のアップから始まるのだが、これがおいしそうなのだ。豚バラの薄切りを炒めて、手でちぎったコンニャクと切った野菜を入れ、ダシを注いで白と赤の合わせ味噌を溶く。これとアツアツの白いご飯。やっぱり炊き出しの定番になるわけだよなあ。

常連客は綾田俊樹、不破万作、宇野祥平、松尾諭、オダギリジョー

   常連にベテランゲイの小寿々(綾田俊樹)、忠さん(不破万作)、小道(宇野祥平)、五郎(松尾諭)らがいて、とりとめない会話をしながら飲み、かつ食っている。たまにゾロリとした着物姿のカタギリ(オダギリジョー)がすみっこでわけのわからない独り言を言っている。

   そこに毎回ワケあり客が登場し、好きな料理を注文して、それにまつわる人間模様が描かれるという、凝った作りになっている。赤いウィンナのタコを注文する地回り(松重豊)とか、煮こごりを所望するソープ嬢(伊藤歩)とか。場所柄、歌舞伎町で働く客が来る。キャバクラでバイトしながら就活していた女子大生(朝倉あき)は、内定を経歴がバレて取り消され、やむなくデリヘル嬢を始めたが、呼ばれた先にいた客は10年前に家を出た父親だった。ふーん、キャバクラのバイト歴って内定取り消しの理由になるんだ。

   それでも、おしまいにはみんなハッピーエンド。それがわざとらしくないのがいい。一抹のほろ苦さと人間の切なさ、いとおしさを残して終わる。

   また、最後にその回で作った料理のコツを教えてくれるのも役に立ちそうでうれしい。とにかく、こんな店があったら行きたい。

文   カモノ・ハシ
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