戦闘シーン、スター大競演、戦争の悲惨―見どころ満載の日露死闘

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「坂の上の雲 第3部 第11回 二〇三高地」(NHK)2011年12月11日19時30分~

   第3部はロシアとの戦争まみれである。10回の旅順総攻撃から始まって203高地攻め、最後は名高いバルチック艦隊との死闘で、教科書で習った日清・日露の戦勝も「勝った勝った、日本が勝った」と浮かれることなどとても出来ない、実際はこちら側も多大な犠牲の上の勝利だったことを描いている。
   乃木希典(柄本明)の苦悩にもかかわらず陸軍の幕僚たちは旅順要塞の正面攻撃に固執して失敗ばかりする。結局、乃木に代わって軍隊の秩序を乱してまで旅順に向かった児玉源太郎(高橋英樹)が、第三軍の攻撃計画を修正して指揮を執り、ついに二〇三高地を占領する。児玉が移動する車窓から死屍累々たる雪景色の墓標が見え、二〇三高地の総攻撃でも、味方を撃つ危険性の多い大砲での援護射撃など、悲惨この上ないシーンの連続である。物凄いスケールだ。
   原作者・司馬遼太郎が危惧したような「軍国主義礼賛」や「ノー天気な明治回帰」などは全く感じられない。彼の心配は杞憂であった。むしろ、若い世代の視聴者にも、結果は勝利でも、戦争とは如何に悲惨で無駄で人心を荒廃させるだけのエネルギーロスの行為であるかを教える効果も期待できる描き方に成功している。この回では秋山兄弟(阿部寛、本木雅弘)はちょい出の脇役で、乃木と東郷平八郎(渡哲也)、大山巌(米倉斉加年)ら錚々たるスターたちの大競演が中心、見どころ満載だったのである。

(黄蘭)

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