「親の顔が見たい」引きこもり再教育ルポの物足りなさ

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「目撃!日本列島」(NHK)2011年12月17日11時30分~

   部屋に引きこもりだった青年3人が、瀬戸内の愛媛県・大島という島の再教育プロジェクトで過ごす様子を撮ったルポである。3人の内2人の顏にはぼかしが入っているが、1人、20歳のU君だけが顔を出している。大学中退で引きこもりだったためかデブである。昼夜逆転の生活だったが、この島に入塾することを決心した。
   島の人たちは平均65歳以上で、みんなおせっかいな年寄りである。都会のようにほっておいてくれないし、NPOのスタッフもいる。小さな消防自動車による訓練実習では、隊員から「声が小さい!」と容赦なく叱咤される。会合に出てこなくなった老人の様子を見てこいと言われれば、人との話し合いが苦手でも訪ねてゆかねばならない。彼は少しずつ人とのコミュニケーションの場に馴れてくる。
   大昔の日本では引きこもりなどあり得なかった。大家族の上にみんな貧しくて、弟妹のために奉公にやらされたり、小さい時から労働力としてこき使われ、祖父母や親のために子供が働かされるのは当たり前だった。今の状態は子供に対する過保護、家庭教育がなっていないからひきこもりが発生するのだと筆者は考えるが、戸塚ヨットスクールのように、他者に鍛え直してもらわないと自分の子1人まともに育てられない親力の低下も原因なのである。こうしたルポでいつも物足りないのは、「親の顔が見たい」のに取材さえしていないこと、困難はわかるが親の話を聞く努力をするべきである。

(黄蘭)

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