相棒SPひねりきいた「泣かせ」巧み!わざとらしさない脚本にうまさ

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「相棒 元日スペシャル ピエロ」(テレビ朝日)2012年1月1日21時~

   特命係警部補の神戸尊(及川光博)がテロリストによる子供誘拐事件に巻き込まれて拘束される出だしから快調な特別版だ。物語を通じてわざとらしい場面があまりなく、よく出来た脚本(太田愛)。日本は責任を取らないおかしな国になったと嘆く中年のテロリスト・草壁(吉田栄作!)が主犯で、オペラ会場にある託児施設からピエロのマスクを被ったその仲間に子供たちがバスで拉致される。
   神戸は刑事の身分を隠して、映像に撮られているのを利用し言葉を呟いたり、メモ書きを残したりと外部に発信しようと四苦八苦する。一方、杉下右京(水谷豊)は公安がマークしていた草壁やピエロの速水らの過去を調べる。子供たちの中の利口な少女(大橋のぞみ)が、アジトの通風孔から脱出出来て右京に連絡し事件が解決するのだが、ひと捻りしてあるのは、主犯の草壁は大義名分のある確信犯でも、あっさり20億の金目当ての仲間に殺されてしまうこと。しかも真犯人の目的もホームレスの親父が死んだ公園が潰されるのを、奪った金で買い戻そうとする「泣かせ」理由がつけてあるのだ。
   全体に最近の日本の、贅沢な超高層ビルと路上生活者の落差に疑問を抱く若者像という通奏低音が用意されていて、1時流行った犯人の狂気に単純化していない点が共感を呼びそうだ。警察内部の縄張り争いは相変わらずだが、オウム真理教・平田信の出頭時の警察のドジを見ても、現実はもっと馬鹿っぽい役所なのかもしれない。

(黄蘭)

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