2024年 4月 20日 (土)

福島原発幹部が警告「2号機崩壊する」信用できない温度上昇の東電説明

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「政界のいっこく堂」なんて可哀相すぎる…田中防衛相は主夫に戻れ

「この薬は1日1回です また良くならない場合は別の薬もあるので相談して下さい とのことです。昼食は何を注文しますか? (1)サンドイッチ(2)おにぎり(3)カレー(4)定食(5)カツ丼」

   これは国会の委員会審議中に秘書官がに手渡したメモの内容である。「週刊新潮」が望遠で撮って安保、防衛にかかわる重大情報かと「解読」したら、この内容。自民党議員の間では、官僚のいいなりの田中防衛相を評して、腹話術の人形のようだから「政界のいっこく堂」といわれているそうだ。

   いくらなんでも、これでは田中防衛相が可哀相ではないか。彼が防衛問題はおろか、経済や金融にはまったく関心もなく知識もないのは、これまでの人生をひたすら真紀子議員のポチとして生きてきたからである。田中角栄が田中直紀を娘・真紀子の夫としたのは、素直で娘に付き従う婿だと見て取ったからだ。その役割を忠実にこなして生きてきただけの男を、防衛という重要な大臣に指名した野田佳彦総理がひたすら悪い。

   憲法もろくに読んだことのない史上最低の防衛大臣などとメディアはこき下ろすが、彼にしてみれば防衛はおろか、大臣の椅子など欲しがったことはこれまで1度もなかったのではないか。71歳にもなって馬鹿だアホだといわれなくてはいけない田中防衛相よ、早く辞表を出して議員も辞め、一主夫になったがいい。あなたは国会議員バッチよりエプロン姿のほうが似合うと思う。

天皇の心臓手術チームに創価学会幹部―情報漏洩は考えすぎ

   天皇陛下が冠動脈バイパス手術を受けることになって、号外まで出された。さっそく、臣・新潮&「週刊文春」が巻頭で特集を組んでいる。文春は「天皇はなぜ『心臓手術』を決断されたのか」という平凡なタイトルだが、新潮はひとひねりしてきた。「『天皇陛下』オペ室に『創価学会幹部』がいる!」がそれだが、反創価学会を任じている新潮らしい内容ではある。

   オペは「神の手」と称される順天堂大学の天野篤教授(56)が執刀するようだが、タッグを組む東大病院の心臓外科チームのトップに座る科長の小野稔教授(50)は、「熱心な創価学会の信者として知られています」(東大医学部関係者)。それが大問題だというのだ。皇室の情報が学会側に漏れてしまう「情報リスク」があるからだとして、「陛下のご体調やカルテの内容が、万が一にもやすやすと流失するような事態となれば、そのダメージは計り知れない。こうした懸念が、手術室では絶えず鎌首をもたげているというのだ」(新潮)。これって考えすぎではないかね。ともあれ神の手が無事に手術を終え、天皇が再び公務に復帰できることを祈りたい。

これから深刻になる2号機の漏水と放射能汚染拡大

   「M7クラスの首都直下型地震が4年以内に起こる確率70%騒動」は、発信元の東大地震研究所平田直教授の「ヤマ勘発言」でいくらか下火になったが、心配なのは福島第一原発2号機の温度が急激に上がっていることである。16日(2012年2月)の東京電力の発表では、一時的ではあるが400度超の異常値を示したことがあるそうだ。東電は蒸気や塩分にさらされたことによる電気回路の劣化で温度計が故障したことが原因と発表しているが、疑念は消えない。東電の嘘つき体質への不信感はもちろんだが、もともと2号機は他に比べても内部の損傷が激しく、いまだに建屋内に入れず、溶けた燃料棒がどんな状態にあるのかも掴めていないからだ。

   「週刊朝日」の福島第一原発幹部によると「2号機は崩壊する」と書いてあるではないか。あわてて読んでみた。幹部によると、温度が上がった理由には、飛び散った燃料棒のカケラが温度計の近くにきた、注水パイプの不具合などが考えられるという。さらに幹部は、これから別の問題が起きてくると話す。炉内に注水する水の量は少しでも減らしたいと現場は思っている。ホースの負担も少なく、放射能汚染された水の漏れも少なくて済むからだが、いま2号機には大量の水を注入しているから、温度が下がったとしても、ホースに負担がかかって漏水が増えれば、放射能汚染が拡大するし、フクイチ内の作業にも影響が出てくるというのである。

   2号機の温度上昇についての発表も東電は数日遅れた。国民の知る権利に応えずに、赤字になったからと一方的に企業向けの料金値上げ通告をしてきた東電に対して、企業や自治体から猛烈な反発が起きている。莫大な公的資金が投入される東電は、もはや一民間企業ではなく、国有化されても仕方ないのではないか。発送電の分離を含めて、政治が強力なリーダーシップをとらなければ、この国は東電とともに沈んでしまいかねない。

福島は深刻な人手不足―実働4時間で月給34万5000円。3度の食事付き

   このところ軟派記事に見るものがない。今週の「週刊現代」、「週刊ポスト」は「告白 お父さんたちの終戦記念日」(現代)、「世界ではSEXをこうして教えている」(ポスト)。現代は男として終わった日を「終戦記念日」とタイトル付けしているのは買えるが、内容はほめられたものではない。ポストのほうもマンネリで無理矢理頭でつくりあげた企画としか思えない。だが、ポストの「YURI通信」はいいよ! なんでもないフツーの女の子の笑顔と彼女の裸身が見開きで載っているだけなのだが、ジッと見入ってしまう不思議な雰囲気をもった女性である。

   今週の注目記事を2本あげる。まずは「AERA」の「被災地のハローワーク 福島『求人』職種の危険度と賃金」。東日本大震災の被災地で起きていることを「求人」というキーワードから探ってみようというひと味違った記事である。南相馬市の中心地にあるJR原ノ町駅前のホテルは復興関連の人々でごった返しているが、深刻な人手不足で悩んでいる。放射能が怖いために、20代から30代の女性が来てくれないのだ。時給700円という安さもあるかもしれないが、経営的にそれ以上は無理だ。

   有効求人倍率は復興事業支援策予算約11兆7000億円もあって、福島県相双地区の場合、求職者数549人に対して求人数は1.7倍の962人もある。求人数で最も多いのが医療福祉で全体の19.1%、次いで建設が18.2%。昨年11月から求人を始めた福島市内の建設機器レンタル業者によると、時給800円でも他に割のいい仕事があるからさっぱりだという。防護服を着用しなくてもすむ一般住宅などの放射能除染関連の仕事だと月給20万円ほどで、放射線量の高い区域などでの直接的な原発事故関連作業だと25万円以上になる。

   ハローワークで調べてみると、瓦礫撤去や構造物の解体、手作業による物資の積み込みの仕事は、1日の実働は4時間で月給は27万6000円から34万5000円。宿泊に3度の食事付きだ。だが「履歴書に必ず血液型と緊急の連絡先を記入」という特記事項が付いている。この求人を出しているゼネコン傘下の零細業者は「30人の定員に全国から150人ほど応募があった。ただし、安全のため40歳以上の男性に限定しています」と話している。私のような高齢者でも雇ってくれるだろうか。

   原発から20キロ圏内の警戒区域で空き巣パトロールの仕事もある。3交代で24時間体制。従事しているのは地元消防団の人たちが多いという。日給は7000円ほど。樹木の伐採の求人も多い。だが山の急斜面での伐採は危険を伴うし、伐採時に放射性物質が飛び散る危険も加わる。林野庁が出した現場監督と調査を手がける係長の求人は、月給24万6800円から40万1800円だ。

   専門技術を必要とされる職種は当然ながら高賃金である。宮大工は基本給の3倍の月給最高34万5000円までを支給する建築会社(いわき市)がある。ほかには、放射線測定員が基本給16万円から24万円。韓国語や中国語の翻訳などの仕事もある。韓国語の翻訳員が基本給17万4300円。中国語の通訳が基本給14万80円。求人票からは復興が進まない分野も見えてくる。福島県内の漁協は操業を自粛しているために求人はゼロである。

犯罪者に転落した博報堂元社員の悲哀―上司に相談できず自分で穴埋め

    もう1本は現代。詐欺で捕まった元博報堂社員の告白である。平凡なサラリーマンがふとした気の迷いから犯罪者に転落していった話で、身につまされる。本間龍(49歳)は1989年に博報堂に入社し、一貫して営業を担当していた。きっかけは得意先企業からパンフレット制作の仕事を受注したことからだった。その費用1000万円が向こうの社長の「期末を越えた請求はびた一文払わない」という身勝手ないい分で回収できなくなってしまったのだ。そのとき上司に話していればよかったのに、異動させられるかもしれないという恐怖から言い出せなかった。

   転勤先の北陸から戻って間もなく、子供が小さかったこともあった。何とかわからないように穏便に処理したいと思っているとき、博報堂の上場が話題になり、株の上場話を元に金を借りようと思い立つ。自分がもっている株が上場になれば2000万円ほどになる。それで返済すればいいと、大学の後輩やサークルの仲間に持ちかけて1000万円集めた。

   それをきっかけに彼の評価は上がり、電通が独占的に扱っていた大手石油会社の仕事を博報堂にもってくるなどの成果をあげる。そうなると他の部門のスタッフのケアもしなければならない。得意先にも身銭を切ってご馳走することも多くなっていった。そしてお決まりの女性関係。10歳年下の派遣できていた人妻と理無い仲になり、夜仕事が終わってからの食事、ホテル代、タクシー代と嵩んでくる。

   彼はまた博報堂の未公開株の購入を友人知人にもちかけ、集めた額は2000万円を超えてしまうのである。それでも出て行く金は増え続け、詐取した分を注ぎ込んでも足りず、ついに闇金に手を出してしまう。40社から800万円くらい借り、返済が滞ると自宅にも会社にも「コラァ、本間を出せや!」と催促の電話が入る。仕事どころではなくなる。05年2月に博報堂が上場されるが、持ち株は2000万円どころか800万円にしかならなかった。

   上場から1年近く経って、もはや騙し続けるのは限界と、借り手の一人に「未公開株の話は実は嘘だったんだ」と泣きながら告白する。妻にも打ち明けるが、総額を知った彼女は離婚を切り出す。借りていた2人から合計1800万円で告訴され、会社を退職し、妻子が出ていった数日後に詐欺容疑で逮捕されてしまう。懲役2年の実刑判決。未決勾留期間を差し引いた1年4か月服役し、08年10月に出所する。

   仕事上のミスを隠すために嘘の上塗りをしていく。サラリーマンが落ち入りやすい陥穽である。あのときひと言上司に報告できていれば、悪くても異動か転勤で済んだはずだ。しかしそれができないのがサラリーマンの哀しさである。私もサラリーマン時代にそうした経験がある。私には相談できる先輩がいたから転落一歩手前で踏みとどまれた。他人事ではない。

「共喰い」評価は石原慎太郎の「お化け屋敷ショー」が一番当たってるかな

   蛇足だが少々芥川賞の話をさせていただきたい。「もらってやる」発言で話題になり本もベストセラーになっている田中慎弥の『共喰い』を読んだ。正直感心しなかった。

   息子の父親殺しというテーマは新しいテーマではない。セックスの最中に女を殴ってしまう父親。同じ性癖をもっていることで悩む17歳の息子。ややどぎついセックス描写と、背景にある地方の泥臭い村と聞き慣れない方言が、今どき珍しくなってしまったムラ社会の閉塞感を表現して、一応のレベルには達しているとは思う。

   評者の中には平成の中上健二などともち上げる向きもいるが、それは違う。中上には書かなければ死んでしまうような内からの激しい衝動があった。だが田中にはそれが見て取れない。

「(中略)二人の母親をもつ十七歳の少年の欲望にまみれた日々が、厚塗りの油彩画を思わせる絵を生み出している。川辺の暮らしの絵の中に幸せそうな人は登場しないのだが、そのかわりに生命の地熱のようなものが確実に伝わってくる。歴代受賞作と比べても高い位置を占める小説である、と思われた」(黒井千次)
「全編に流れる下関の方言と緊張度の高い地の文が、リズミカルに交錯しており、叙事詩の格調も漂わす」(島田雅彦)

   このような選評よりも、石原慎太郎の「戦後間もなく場末の盛り場で流行った『お化け屋敷』のショーのように次から次安手のえげつない出し物が続く作品」という評価が妥当ではないか。

   芥川賞は新人賞だから完成度を云々しても仕方ない。次回作に期待するとしよう。そういえば石原慎太郎の『太陽の季節』だって「障子を破る」ところだけが注目された「お化け屋敷的小説」だったのだから。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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