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とにかく笑える佐藤隆太のダメぶりとハチャメチャギャグ

妄想捜査~桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 (テレビ朝日系日曜深夜11時15分)>いくら深夜枠だからといって、数%という低視聴率ぶりさえ話題にもならないのは寂しい。寂しすぎる!! しかし、テレ朝系のこの時間帯のドラマとしては、ここ3~4年で一番面白いと思う。映画化も決まった「臨場」の東映・目黒正之プロデューサーが手掛けているのだが、「臨場」とこの「妄想捜査」ではまったくテイストが違う。

さえない准教授の妄想で事件捜査はいよいよ混乱

   佐藤隆太演じる主人公の桑潟幸一准教授(通称・クワコー)はとにかくさえない。三流大学「たらちね国際女子大学」に運よく拾ってもらったクワコーは、何に付けてもスタイリッシュに決めようとして名探偵を気取ったりするが、実際には推理と称して妄想をするだけで、100%ハズす。事件の解決は大学キャンパスにダンボールハウスで暮らす女子大生神野仁美(通称ジンジン・桜庭ななみ)がやってくれる。

   そこが普通の事件ものドラマと違い、この番組はいわゆる社会常識、物理法則を無視したギャグのオンパレードだ。ジンジンがホームレスというのもすごいが、ジンジンの所属する「ミステリー研究会」の平部員の女子3人は、自称魔法使い、忍者の末裔、日本語がほとんどわからない帰国子女。代表の木村都与(倉科カナ)の彼氏・沼袋(渡部秀)は、房総工業大学(通称ボーコー大) の体育会系バカなのだが、木村のペットで「チワワ」の名札のついた首輪をしている。そんな沼袋をしつける倉科カナのドS演技にも痺れる。

いい味出してる升毅の校内清掃員

   極めつけは升毅が扮する清掃員の耳島アキラである。こちらはすっかりスタイリッシュが板について、仕事中にナンを焼いて食べたり、小型トラクターのような車で金髪の外国人美女2人とデートに出かけたりと、もう訳がわからない。周りの目を気にし過ぎて、何をしてもダメなクワコーのアドバイザー役をかって出るが、世間体を全く気にしない耳島の方がよっぽどスタイリッシュに生きているように見えてくるという仕掛けだ。この時代の幸せのあり方を問いているようにも思える。こういう考察もできる作品になっているのは、目黒プロデューサーが「臨場」でふくらましてきたテーマでもあるからなのだろう。とにかくクワコーのダメっぷりや意味不明なギャグがオンパレードで、笑える。

鯖野かサバり