米国人が語る由紀さおりの魅力「パフは日本語で聞くほうがよかった」

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   やや旧聞に属する話題が、歌手の由紀さおりの欧米での人気――が番組で取り上げられた。米国のジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したアルバム「1969」を発表すると、これが売れて、ニューヨークをはじめ欧米でコンサートを開けば満員。2万人を動員したそうである。

   ちなみに、「1969」は題名の通り、1969年にヒットした曲を集めたそうだ。自身のヒット曲「夜明けのスキャット」のほか、「ブルー・ライト・ヨコハマ」など、多くが日本の歌謡曲のカバー。あとはピーター・ポール&マリーの「パフ(ザ・マジックドラゴン)」などの外国の曲を日本語で歌っている。

本人も戸惑う人気「なんなんだろう、誰かに教えてもらいたい」

   それにしても、なんでこんなに人気が出たのか。由紀本人は「なんなんだろう、誰かに教えてもらいたいなというぐらい本当にわからない」とのことだ。しかして、番組は専門家らの解説を仰ぐことになる。だが、誰それはなんで人気で、あの人はなぜ売れないのかと、そんなことが分析できるなら、音楽は化学の公式かなにかのように退屈なものだということになるだろう。

   それよりは、由紀さおりを聴いた外国人(おもに米国人と見られる)が語る感想といったもののほうが少々レアだし、特筆に値するかもしれない。「美しい歌で、すばらしかった」「(「パフ」は)日本語で聞くほうが、よかったです」。これはコンサートを聴いた女性たちの感想。

   オレゴン州の主婦のナンシーさんは娘と夫からのクリスマス・プレゼントで由紀のアルバムをもらい、パーティーで夜通しかけた。「日本語の響きがいい」とうっとりだ。国連で働く男性、ウラジミールさんは「言葉の意味はわからないけど、楽しい。海や自然が思い浮かぶ」と話す。

「穏やかで心地よいね。ストーリーを語っているようだ」(ベン・E・キング)

   由紀と共演した「ピンク・マルディーニ」のリーダ-、トーマス・ローダーデールも登場。そもそもは、彼が中古レコード店で、たまたま「夜明けのスキャット」のレコードを目にしたことがはじまりだった。「アルバムジャケットが素晴らしかった」と、いわゆるジャケ買いだったようだが、「(曲を聴いて)すぐに魅せられた。夏のそよ風に当たってるようだった。安らかだけど、どこかさびしいような」。そこで由紀とのアルバム制作を企画したという。

   アルバム制作では、米国で流行りの高いキーやはげしいビートは避けて、キーは下げ、テンポは遅くするアレンジにした。トーマスさんは「由紀さんの歌には、浮世絵のような浮遊感」があると話す。

   番組は、「スタンド・バイ・ミー」の大ヒットで知られ、最近は「Sukiyaki」こと「上を向いて歩こう」をカバーしたベン・E・キングにも、由紀版「パフ」を聴いてもらった。「穏やかで心地よいね。英語だともっとテンポが速く、力強いが、彼女は落ち着いて誠実にストーリーを語っているようだ」と言う。

   人気の理由がそこはかとなく見えてくるような気がしないでもないかもしれないが、どうだろうか。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2012年2月21日放送「世界を魅了する日本の歌謡曲~由紀さおりヒットの秘密~

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