初音ミクがオレオレ詐欺!?人の声と聞き分けられぬ音声合成

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   いったいブームから何年遅れているのか、いまさらながら「初音ミク」を取り上げた番組である。題して「思いが伝わる声を作れ ~初音ミク 歌声の秘密~」。初音ミクとは何者なのか。音声合成パソコンソフトの名称であり、そのソフトのマスコット的な二次元キャラクターであり、バーチャルアイドルとしても一時代を築いた――ことは、クローズアップ現代の一般的視聴者には、まだあまり知られてないのかもしれない。

   かつて人間はうぬぼれていた。美しい音を出せる楽器は数あれど、人間の歌声というのは道具、機械には真似できないものだと。パソコンの音声合成(マイクロソフト某)の声などを聞けば、それも無理はなかっただろう。

   ところが、初音ミクは、わりとお手軽なパソコンソフトにも関わらず、なかなかにもっともらしく女性の声で歌うことができたのだ。ミクの歌にはつたなさもあったものの、けっこうなオドロキではあった。ただし念のために書いておくと、「初音ミク」はまったくの無から歌っているわけではない。もともとある声優のボイスが収録されていて、それをもとに作られる。番組によると、その音の数は500もあるそうだ。

知らない間に自分の声作られ悪用される怖さ

   さて番組も後半になると、初音ミクからは離れた。他の音声合成技術も日進月歩であり、医療用などでの大きな貢献が期待されているといった話である。こうした技術が進んでいくと、いつの日か、機械がまるで人間と見分け、聞き分けつかないように喋り、歌うのではないかという気がしないでもない。スタジオでは、国谷裕子キャスターもそうした世界で起きそうな懸念を口にしていた。

「声の合成技術が進むと、合成された自分に似た声でオレオレ詐欺をしたり、誤った使い方に結びつく可能性があるのでは」

   専門家のゲストである後藤真孝・産業技術総合研究所上席研究員によれば、研究者もそうした危険を深刻に受け止めているそうである。一方、こうした技術を知らないうちに悪用されるのがもっとも恐ろしいことだとも言う。

「写真や映像の合成技術は進んでいて、知られている。歌声、話し声ももしかしたら合成かもしれないと知られるようになれば、ダマされることもなくなるのではないかと思います」

   そろそろ人間の声も疑ってかからなければいけないのかもしれない。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2012年2月28日放送「思いが伝わる声を作れ~初音ミク 歌声の秘密~」

文   ボンド柳生
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