2024年 4月 20日 (土)

命と若さカネで買う世界―使い切れない命得た金持ち娘と貧乏青年の出会い

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(C)Twentieth Century Fox Film Corporation
(C)Twentieth Century Fox Film Corporation

<TIME>遺伝子操作のため人間の成長が25歳で止まってしまう世界。時間は通貨として存在し、富裕層は永遠の命を手にし、貧しい人々は余命23時間ほどで亡くなっていく。ある時、スラム育ちの主人公ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、バーでギャングに狙われていた男を助ける。彼は富裕層出身で「長く生きられる人間がいるのは、貧しい人間の犠牲の上に成り立っている」という真実をウィルに伝える。

   男は長く生きることに疲れたと言い残し、ウィルに100年もの時間を与えると自殺してしまう。真実を知ったウィルは与えられた時間を使って、富裕層の住む世界へ潜り込む。そこで大富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)と出会うが、自殺した男から時間を盗んだ容疑で追われる身となってしまう。主演は歌手のジャスティン・ティンバーレイク。監督は「ガタカ」のアンドリュー・ニコルだ。

25歳で成長停止。後の寿命はカネ次第

   人は永遠に続く命と若さを求めているのだろうか。このテーマの物語はいくつもあるが、「TIME」はそれが人間の愚かなエゴであることをシンプルに描いている。腕に刻まれた命の長さを記した時計(ボディ・クロック)を持つ人間は25歳で成長が止まり、そこからは時間を買わなければ余命1年としてカウントされる。成長が止まってしまうので見た目はみな若く、老人は存在しない。自分の両親も祖父母でさえ見た目は25歳なのだ。登場する人物はきまって美男美女ばかりで、若さだけでなく美しさまで遺伝子操作されたのかと疑ってしまう。

   時間が通貨として使われる世界では、富裕層は贅沢の限りを尽くした人生を手にし、時間を浪費し、もてあましながら生きていた。一方、スラム育ちの人間は必死で働いて時間を得ても、税金や物価の上昇で時間はなくなり次々と死んでいく。

   この住む世界の違う人間同士が出会うことはまずあり得ない。ところがシルビアとウィルは何かに導かれたように出会う。シルビアは使い切れないほどの命を手にしている大富豪の娘だが「刺激のないつまらない人生」と自分の境遇にうんざりしている。反対にウィルはわずかな時間が足りなかったために大切な母親を失っていた。

   そんな2人を執拗に追いかけるタイムキーパー(時間管理官)。この世界の仕組みの謎めいていた部分が、徐々に明らかとなっていくのも魅力である。タイムキーパーとウィルが繰り広げるアクションシーンは大いに見ごたえあり。「時は金なり」ということわざがまさにピッタリの映画である。人間にとって本当に幸せな人生はどんなものか、何度も考えさせられる。

おススメ度☆☆☆

PEKO

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