会社の愚痴どこでコボすの?「テレワーク」いまや5人に1人

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   オフィスから離れて(Tele)働く(Work) から「テレワーク」というのだそうだ。在宅や移動しながらモバイル、あるいはレンタルオフィスでパソコン(PC)と、インターネットがあればどこでも仕事場になる。国土交通省の推計では、こうした形で週に8時間以上働く人は、昨年は5人に1人になったという。

営業も本社にメールして「直行直帰」

    四国の山間、徳島・神山町に東京のソフト開発会社のサテライトオフィスがある。古い一軒家に若い男女のプログラマーが思い思いにPCに向かっている。落ち着いた環境で創造性を発揮させようという狙いで、希望すればだれでも来られる。男性の1人は「外へ出ると自然があって、地元の人と話もできる。仕事にもすぐ戻れる。効率もいい」という。町には昨夏からさらに5社のIT企業がオフィスを開いた。

   こうしたことを可能にしたのは、「東京より快適なネット環境」だ。徳島は県全域に高速ブロードバンドがある。小川のほとりで東京と打ち合わせをしている社員がいた。その画面を通して東京の社員に聞くと、「同じ画面を見て話してるから隣にいなくても同じ」

    精密機器販売リコージャパンの営業マン、冨塚史朗さんは、毎朝、新宿駅から本社に「始業」のメールをして取引先へ直行する。商談がまとまると、事務作業は最寄りのレンタルオフィスだ。使うのはシンクライアント端末。本社のサーバーを操作して、書類の作成、データの保存ができる。端末にデータは残らない。本社への行き帰りがないから、訪問件数は1.5倍になった。残業もない。終わればそのまま帰宅。「直行直帰」というのだそうだ。きっかけは東日本大震災だった。節電対策で始めたのだが、業務の効率化に想像以上の結果が出た。リコーは新年度からテレワークを600人に拡大するという。

中間管理職「さびしいですね。会話する相手がいないし」

   中間管理職は「さびしいですね。会話する相手がいないし」と、がらんとしたオフィスで言う。PCだけのコミュニケーションだと、意思疎通や若手の指導に不安が残る。「よほど工夫をしないと、組織が崩れる恐れもある」

   情報通信総合研究所の國井昭男・主任研究員は、「まだ答えがない。会議や打ち合わせはいいが、雑談や愚痴をどう保つか。facebookのようなSNSを作ったり、試行錯誤が続いている。会社のマネージメント力が問われる」という。

   テレワークで新たな働き方を開いた人もいた。横浜の社員27人の電気設備会社の課長(40)は、同僚がまだ仕事を続ける午後5時半の定時に帰宅する。寝たきりの父親の介護があるからだ。代わりに自宅からテレワークする。かつて大企業で深夜まで働いていたが、父親の介護が始まって、睡眠もとれず、過労から自分の健康も保てなくなり会社を辞めた。今の会社が理解をしてくれて再就職できたが、テレワークのシステムは自分で導入した。

   テレワークのセミナーを主宰している会社が、東日本大震災の被災者への支援と仕事の紹介も始めた。福島から山形へ自主避難した主婦、清野和佳子さんもこれで訓練を受けた。震災で夫は職を失い、幼い2人の子を置いて働きにも出られない。そこで目にしたのが「無料のIT訓練」だった。PCに触ったこともなかったが、バーチャルクラスというユニークな方法で毎日課題を出され、3か月で一応のレベルになった。「PCがあればどこでも仕事ができる。お金にもなる。気持ちの上でも大きかった」

   国谷「テレワークはどこからでもできる。企業の需要も多様になり、職を求める人も多様。これをどうコーディネイトするか。この部分が重要になってきそうです」

   いまや5人 に1人だって!PCだってスマホだって慣れてしまえばただの道具だ。たちまち3人に1人になるのか。チャップリンの「モダンタイムス」みたいにならなければいいが。

ヤンヤン

   NHKクローズアップ現代(2012年月日放送「仕事は会社の外で~広がるテレワーク~」

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