2024年 4月 25日 (木)

藤原新「無職ランナー」貯金崩して手にした五輪マラソン日本代表

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   五輪マラソンの代表選考は過去にいろいろ論議を呼んできた。レースそのものより起伏に富んだドラマがあったといってもいい。だが、今回は男女とも意外にすんなり決まったようだ。「スッキリ!!」はその1人、「異色のランナー」といわれる男子の藤原新(30)に焦点を当てた。

妻の性格分析「ちょっと格好つけで、いきなり凄いことやる」

   先月26日(2012年2月)の東京マラソンで2時間7分48秒の記録で日本人トップの座を射止めた。黒のシャツとパンツで軽快に腕を振る精悍な走りは記憶に新しいところだ。正式に代表に決まって、東京マラソンのゴールで見せたような屈託のない笑顔はなかった。

「選ばれてよかったというのじゃなくて、さあ、これからいよいよ戦いに行くぞ、という気持ちでいます」

   藤原はこう決意を語った。マラソンに賭ける思いは並々ならぬものがある。マラソンに専念するため、駅伝を重視する実業団を退職、地元富山に妻と娘を残して貯金を取り崩しながら東京でトレーニングに励む。高校時代の恩師は「いつもマラソン、マラソンといっていた。マラソンで大成するという気持ちがずっとあったようだ」と話す。実業団時代のライバルも「勉強熱心というか、運動生理学などよく研究していた」と語る。妻による性格分析によれば、「ちょっと格好つけるところがある。努力しているところを人に見せないで、いきなり凄いところを見せる」のだそうだ。孤独と忍耐のレースいわれるマラソンに向いた資質かもしれない。

「目標は2時間7分30秒。タイムを出せば順位ついてくる」

   ロンドン五輪に向けて、藤原は「目標タイムの目安は2時間7分30秒。タイムを出せば順位はついてくる。そういう気持ちで狙いたい」と語る。

   アナウンサーの森圭介が世界の記録と比べる。去年(2011年)9月以降の記録で見ると、男子のトップはケニアの選手の2時間3分38秒。2位も同じくケニアの選手で2時間3分42秒。藤原の目標とは約4分の開きがある。

   キャスターのテリー伊藤「男子は正直いって、入賞(8位以内)をめざしてがんばってもらいたいね」

   オリンピックのマラソンは何が起こるかわからない。「異色ランナー」の意外性に期待したい。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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