よくぞ撮っておいてくれた自衛隊!明日のために残す震災映像

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「自衛隊だけが撮った0311~そこにある命を救いたい~」(フジテレビ)2012年3月9日21時~

   東日本大震災1周年の夥しい番組の中で、記録的価値の高いドキュメンタリーである。当時、われわれには全く知らされなかったが、震災と津波直後に現地に救援に入った自衛隊が撮った、行く先々での映像で、まことに絶句する内容だ。よくぞ撮って残してくれた。
   戦後、左翼全盛時代に産まれて、名前すら警察予備隊だのと誤魔化されて日陰の身で生きてきた自衛隊が、災害派遣での働きぶりなどで、ようやく認知されてきた。しかし、まだまだ自衛隊アレルギーを持つ人も多く、こうした番組になると、決まって自衛隊のプロパガンダだと攻撃する。筆者は右翼でも左翼でもないので、純粋に番組そのもののもつ発信力や記録的価値で判断する。プロパガンダどころか、これは人類の明日のために残しておくべき映像である。
   冒頭の巨大津波や大火災の映像は被災者に辛いことを思い出させると非難する向きもあるが、原発事故直後の果敢な放水作業といい、行方不明者の捜索といい、先遣隊の過酷さを知らしめたのは映像が残っていたればこそである。われわれはフィルターにかけられたニュースしか知らなかった。捨て置かれた犬たちが、飢えて痩せ細った姿で隊員の与えるパンか何かを貪り食う。繋がれていた牛は自分で食い物を漁りに行けないので、痩せ細って餓死し、廃屋に横たわっている。涙なくしては見られない。彼ら自衛隊は行方不明者の捜索の後、建物の周辺を綺麗に掃除して去った。立派である。

(黄蘭)

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