「ガン後遺症」保険適用でリハビリ病院増加―手術前からケア

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   ガン患者の半分は助かる時代になったが、手術の後遺症に悩んでいる人も多い。「ガンは部位によってさまざまな後遺症がありますが、そのリハビリはこれまで病院でなく患者さんに任されていました。それがようやく後遺症の緩和と機能回復に取り組む病院が増えてきました」と内藤裕子アナが報告した。

むくみ、運動麻痺、飲み込み困難…手術後の苦しさ軽減

   ガンの種類別に後遺症を上げるとこうなる。

   ★乳ガン、子宮ガン―リンパの切除でのむくみ

   ★食道ガン―物を飲み込む力の低下。肺炎

   ★肺ガン等切開手術―筋肉の引きつり

   ★抗ガン剤投与―しびれ、運動麻痺

   後遺症はなぜ放置されてきたのか。慶応大学医学部腫瘍センターリハビリテーション部門長の辻哲也氏は、「ガンは重い病気のため、とにかく命が助かればという考えが強かったことがあります。また、近年まで健康保険の適用外だったため、病院側のリハビリへの取り組みが遅れてきました」と言う。

   食道ガンの手術を受けた平野隆一郎さん(57)は、手術後に声の不調や肺炎を併発する可能性についての説明を受けた。そして、手術前から呼吸機能強化のリハビリを行い、「術後のイメージがつかめて安心しました」と平野さんは言う。

   12月初旬に手術は成功し、翌日からリハビリは始まった。まず、ベッドを起こして内臓を下げ、深い呼吸を繰り返す。3日後には人工呼吸器を付けたままの歩行訓練と深呼吸訓練が始まった。手術から11日目、喉の筋肉を鍛えるため水を含んだ綿棒で物を飲み込むリハビリ(1日10回)が加わり、手術から16日目でお粥やあんかけなどの飲み込みやすい食事の許可が下りた。

   退院前日の呼吸機能チェックでは、肺活量が2500ミリリットルから3000ミリリットルに回復、体力年齢も75歳から70歳へと若返った。指導をした辻哲也部門長はこう言う。

「手術後のリハビリをスムースに行うには、手術1か月前からの呼吸リハビリが必要です。この術前の口腔ケアで歯石や虫歯を取ることで、肺炎が3分の1に減りました。病気の前の健康な身体に戻すのがリハビリの使命ですが、日本はまだ保険の適用などでは一部だけで遅れています」

(磯G)

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