三谷幸喜が「ただのファン」になるルーシーコメディー凄まじき舞台裏

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「ルーシー 100歳のバースデー」(NHK BSプレミアム)2012年3月18日14時~

   一世を風靡した「アイ・ラブ・ルーシー」の主演女優ルシル・ボールは1911 年8月6日生まれで、昨年、彼女の故郷であるジェームズタウンで、本人はとっくに亡くなっているのに生誕100年のバースデーイベントが行われた。夫と彼女のそっくりさんが現れて、1000人ものブラスバンドが行進した。記念祭もスケールがデカい。
   スタジオではファンの黒柳徹子と三谷幸喜が対談する。喜劇の作者である三谷は純粋にファン心理丸出し、黒柳は自身がブロードウェイでルシルの舞台も見ている体験語り、いずれ劣らぬお喋り男女のやり取り自体もおかしく楽しい。ドキュメント部分では、何より凄いのは大ヒット番組を創り出した産みの苦しみの道程である。
   オッペンハイマーP(この名は間違いなくユダヤ人だな)の長男が証言しているのだが、テレビは蔑まれ、ハリウッドの大スターはテレビ出演など抵抗感があってしなかった時代だ。初回から公開生放送し、ルシルの妊娠中は妊婦のまま出演、赤ちゃんが生まれた回の視聴率はお化け数字となった・・・と、エピソードに事欠かない。
   今見ても抱腹絶倒のコメディだが、ルシルはシリアスなドラマに出ても不自然でないエレガントな美女であり、完璧なリハーサルに裏打ちされ、エンターテインメント王国で成功する芸人の陰の努力が如何にすさまじいものであったかを伝える。それに引き替えわが芸能界の何という甘っちょろさいい加減さよ。演出、重延浩。

(黄蘭)

採点:1.5
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