野田首相・週刊文春デキレースか?阿川佐和子キモ突っ込まない独占インタビュー

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「(中略)目の前の稚拙な質問者にもさぞやカチンと来ていらっしゃるでしょうに、グッと抑えておいでの優しそうなご様子に、つけこんでみましたが勝ち目は薄く、たしかに消費税は上げざるを得ないかと渋々納得させられた感があります。とほほ。(中略)将来に生きていく子どもたちのためには、どうか御身を挺してご決断くださいませ」

   これは「週刊文春」巻頭の「阿川佐和子のこの人に会いたいスペシャル 野田首相 阿川佐和子がすべてを聞いた」の終わりにあるアフターインタビュー「一筆御礼」の文章である。阿川には『聞く力 心を開く35のヒント』(文春新書)というベストセラーがあるから、のらりくらりのどじょう首相からどんな本音を引き出してくれたのかと期待して読んだが、期待はずれだった。

現役総理の単独インタビュー「異例中の異例」

   リードで「現役総理が雑誌の単独インタビューに応じるのは異例中の異例」と書いているが、一昔前ぐらいまではそうだった。私にも経験がある。中曽根康弘総理が誕生したとき、私たちがやっていた「マスコミ情報研究会」という出版社の編集者たちの集まりの会の懇親会に、中曽根首相に来てもらえないかと、秘書を通じて頼んでみた。すると中曽根はOKなのだが、官邸の記者クラブがいい顔をしないので、首相の予定には入れないで、途中フラっと寄ったということにしたいと秘書のほうから言ってきた。

   当夜、霞友会館に顔を出してくれた中曽根首相は、1時間ほど編集者たちと歓談してくれた。だが、一緒についてきた記者たちは憮然とした様子で、こちらが勧めるにもかかわらず、中には入らないで外から様子をうかがっていた。翌日のほとんどの新聞の首相動静には、この会のことは1行も触れられていなかった。だが、自民党政権末期から民主党政権になってからは、記者クラブの縛りは弱まり、首相がOKすればいつでも出られるのだ。だから今回も、野田首相がOKした背景には、出たほうがいいという判断が働いたことは間違いない。

   もちろん文春側も阿川もそれは承知の上であろう。阿川は「私なんぞの対談ページに出ていただけるというのは」などといいながら、一通りの質問はしている。なぜいま消費税アップか、小沢一郎が反対しているが景気はよくなるのか、谷垣自民党総裁との密会の真偽、原発再稼働には対しては「国民は今、保安院も安全委員会も、全然信用してませんよ。彼らの言ってきたことは、3・11以降、ウソばっかりだったんだもん」と反対を表明している。だが、ほとんどの質問はどじょう首相ののらくら答弁に弾き返されてしまっている。

   野田という男、なかなかの話し上手である。たとえば国民皆年金・皆保険という社会保障が、かつては多くの元気な人たちが一人の年寄りを支える「胴上げの社会」だったが、それが今は3人で1人を支える「騎馬戦社会」になり、2050年には一人が一人を支える「肩車社会」になってしまう。だから、今の社会保障の形はもたなくなるので、「一番公平な」税金である消費税をアップするのだと話す。何も考えずに聞いているとそうなのかと肯いてしまいそうないい方である。だが消費税が一番公平な税だというのは学者の中でも別れる見解だし、さらに消費税をアップしたとしても、社会保障に使われるのはそのうちのわずかではないかという最大の問題点を追及していない。

   原発再稼働するためには、「3・11クラスの地震や津波に耐えられると判断すれば、稼働させることはありうる」といっている。そう判断できなければ再稼働しないという言質を引き出したのはよかったとは思うが、結局このインタビューは、野田の「いろんな媒体を通じて、政策についてより知っていただく」という思惑と、それを了とした文春が、消費税アップ容認派の阿川を起用してやったデキレースではないか。本来なら首相官邸が機密費を使ってやるPRページを、タダでやってやったパブ記事といわれても仕方ない。それは阿川の文章にも表れている。

女優・小川真由美のめり込んだ「3人の教祖」オセロ中島だけじゃない狂気

   このインタビューはともかく、今週も文春には「読みたい記事」が多くある。女優・小川真由美(72)の娘・小川雅代(42)が話した「母・小川真由美を狂わせた『3人の教祖』」は読みごたえがある。雅代は小川と俳優・細川俊之の長女として生まれるが、2歳の時に細川が別居し、その2年後には離婚している。

   その後、小川は50代のタロット占い師にのめり込み、「緑と紫」は縁起が悪いと禁止し、絵本でもその2色が入っている部分はマジックで塗り潰し、クレヨンや絵の具も最初から2つの色は捨てられていて、学校の先生にまで「その色は使わせないで」と指示していた。

   細川と別れた小川は俳優の橋爪功と同棲を始めるが、やがて橋爪が家に帰ってこなくなると小川も家に戻らなくなり、雅代は1週間も放置され、缶詰などの非常食も尽きて意識が朦朧として寝ていることが多くなったという。たまに部屋をのぞいた小川は、「私がハンガーストライキをしていると思ったようです」(雅代)

   女優業に翳りの出てきた小川は男性占い師に傾倒していく。さらに尼僧になり、3代目の教祖と出会うのだ。京都在住の50代の小柄な女性で、この女性にいわれて吉祥寺に引っ越し、教祖が好きだったディズニーのぬいぐるみで部屋をあふれさせ、お遍路を始める。この教祖からペットビジネスをもちかけられるが失敗し、小川から散々カネを引っ張った教祖は行方をくらましてしまう。娘は5年も母・小川とは会っていないという。小川のほうも昨年12月に「徹子の部屋」に出て、「私、身内がいないんです」と言い切ったという。

   小川は「復讐するは我にあり」「配達されない三通の手紙」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞し、「食卓のない家」で精神を病んだ母親を演じた際、本物の金魚をかじって話題になった。妖艶でどこかに狂気を漂わせる女優で、私は好きだった。その小川が実生活でも占い師などにはまり、娘に「小川と細川の血は、自分の代で絶やすべきだ」と思い込ませるような生き方をしてきたのかと思うと、なんだかやるせない。オセロ中島と女占い師のことが話題になっているが、もっと深刻なケースが芸能界にはありそうである。

板野友美「恋愛禁止」の掟破りでAKB卒業か

   今や文春の専売特許になった感のあるAKBスキャンダルだが、今週も板野友美(20)とEXILEのTAKAHIRO(27)との「熱愛」を報じている。2人は都内の超高級マンションで別々の階に部屋を借りて住んでいる。文春の推測では、板野は低層階、TAKAHIROは中層階に住んでいるようだ。このマンションはセキュリティがしっかりしているから、他の階へは行けないようになっている。住人の話によれば、板野は中層階で降りていくことがよくあるという。

   3月17日(2012年)は板野が近所のスーパーで買い物をして戻り、その30分後にTAKAHIROが帰宅。そして、板野のところに止まっていたエレベーターが中層階に移動した。

   AKBのメンバーにはプロデューサーの秋元康が「恋愛禁止令」を出しているから、この恋愛が事実だとすると、原則からいえば板野はAKBを離れなくてはならないことになるかもしれない。

   人気ナンバー1だった前田敦子の突然の卒業宣言の裏に何があったか知らないが、これからは「恋愛したいからAKBを抜けます」という子が次々に出てくるかもしれない。

「週刊新潮」ことこの時期に電力会社「企画広告」いかがなものか

   文春のライバル「週刊新潮」にこのところ元気がない。今週は奄美沖で転覆したはえ縄漁船「春日丸」の漁師6人が味わった人食い鮫の恐怖をルポした「『人食いザメ』と格闘して生還した漂流者」が読ませるが、ほかにこれというものがない。

   新潮をパラパラめくっていたらちょいと気になるカラーグラビアを見つけた。「巨大津波から原子力発電を守れ」がそれである。終わりに「企画制作/新潮社 協力/中部電力 JFEエンジニアリング 鹿島・佐藤共同企業体」とあるから、雑誌でよくやる「企画広告」ページであろう。これは編集部ではなく、広告部当たりが担当するページで、電気事業連合会(電事連)が原発推進のために多額のカネを出して新聞、雑誌、テレビに企画広告を出していたことが、原発事故以来大きな問題になった。

   内容はいま一番心配されている中部電力・浜岡原発についてで、現在高さ18メートルの防波壁を建設中で、地下にも地中壁と呼ばれる鉄筋コンクリート造りの壁を地中の岩盤部まで根入れしているという。要は地震や津波に備える万全の対策をすすめているから住民は安心してほしいというのである。

   工事を進めている企業がカネを出しているページだから、これが編集部の見解でないことはいうまでもないが、この時期、こうした広告を掲載するのはいかがなものだろうか。

ナベツネさんのご託、やるなら読売新聞だけにしてくれ…

   朝日新聞が巨人軍の巨額契約金のスクープをして以来、読売新聞側というか渡辺恒雄会長兼主筆の怒りが収まらない。矛先は資料を朝日に渡したのではないかと疑っている清武英利前巨人軍代表よりも朝日へ向いているようで、新潮の「『朝日新聞』と『清武君』に告ぐ!」でもこう吠えている。

「違法でも何でもないことを大きく扱い、『金権野球』などという情緒的な言葉で相手をののしることは、ブラックジャーナリズムであって、朝日のような大新聞がやることではない。今回の報道は、新聞史上に残る朝日の汚点になるだろう」

   私は親父から2代続いた由緒正しい巨人ファンであるが、巨人が札束で新人や他球団の主力選手を引っ張ってきたのは誰もが知っていることで、これを金権野球でなくて何というのだろう。そうしたことへの反省が全くないナベツネさんのいい分は、読売新聞だけにしておいてもらいたいものだ。そうすれば読売を読まない限り、彼の一方的ないい分を見なくてもすむのだから。

   春だというのに今週も軟派記事に見るべきものなし。これが一番残念だ。

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