高橋克典「待ってました!」のはまり役―楽しめたエンタメサスペンス

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「サスペンス特別企画 刑事魂」(テレビ朝日)2012年3月31日21時~

   絵に描いたようなB級サスペンスだが、高橋克典が朝の情報番組に番宣で出てきて、「エンターテインメントですからわかり易い」と自虐的なことを言っていた割には面白かった。警察の裏金作りの白紙領収書に署名押捺を拒否して、組織内で白い眼で見られている刑事の三島(高橋克典)は、新しく赴任してきた県警本部長の村井(小澤征悦)によって警察学校教官に左遷されてしまう。
   ところが、その本部長・村井の娘が誘拐される。村井は娘の命よりも身代金も払わずに犯人逮捕が最優先だと指令を出す頑固ぶり。捜査官たちは交渉人として稀有な才能ある三島の力が必要なので、村井の仏頂面に反して彼を捜査官として呼び戻す。かくして・・・。
   三島の父(橋爪功)も裏金作りに協力しなかったために、生涯お巡りさんで終わった人で、ボソッと三島を励ます。一方、小澤本部長の威張り方や不貞腐れたような態度には説得力がなくて違和感があるが、実は彼も家族思いの優しい父親だという側面が次第に明らかになる。つまり、個人の資質に拘らず、警察という組織が、如何に人間を非情にさせるものかと言いたいのだろうが、ちょっと極端。
   陰のある硬骨漢をやらせればピカ一の高橋の、「待ってました」当たり役だ。ちらっと出てきて殺されてしまう梅沢富美男や、上司の石橋凌ら脇役もいい役者揃い。当節、「警察ものはお任せ」とテレビ朝日の高笑いが聞こえてきそうなスペシャル娯楽作なのであった。

(黄蘭)

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