8回も無視された捜索依頼―4か月半後に遺体で発見

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   8回も捜索を懇願していたのに警察は耳を貸さず、4か月半後に山林で遺体が見つかるという事件があった。この3月(2012年)、三重県松阪市の山林で32歳に男性が遺体で発見された。30キロ離れた県道脇で男性の物とみられる携帯電話の充電器など所持品が見つかり、付近には車の破片もあった。何者かが男性を車でひいた後、山林に捨てたと見られている。

神戸県警垂水署「妄想の世界で警察は動けません」

   男性は昨年11月、帰省していた神戸市の自宅から勤務先の松阪市の寮に戻る途中で行方不明になった。失跡当日、男性を見送った兄(38)は「電車に乗る前に、『向こうはしんどいか』って聞いたら、『楽しい、楽しい』って言っていた。がんばれなといって別れた」と話す。この日、男性は勤務先にも「今から帰る」と連絡を入れていたことが確認されている。

仕事増やしたくないと…

   ところが、その後に行方が分からなくなった。家族は2日後に事件に巻き込まれたのではと兵庫県警垂水署に捜索願を出したが、事件性がないとして捜索は行われなかった。その後も、男性が持っていた携帯電話のGPS機能を調べるよう求めるなど、計8回にわたり捜索を依頼したが、返ってきた返事は「お兄さん、心配し過ぎて神経が参っているのではないか」「妄想の世界で県警は動けません」だった。

   兄は「死んでしまったものが生き返らないことは分かっていますが、(ちゃんと捜査に着手していてくれたら)もっと早く供養もできたし、犯人逮捕につながる証拠品も現場に残っていたでしょうに…」と無念な思いを語っている。

「行方不明捜査」着手は届け出の半分以下

   兵庫県警は対応が適切だったどうか内部調査を行っているというが、根拠もなく「事件性がない」と判断した対応に瑕疵があったことは明らかだ。警察庁によると、届け出があった行方不明者数(2010年)は8万665件。このうち「事件性あり」と捜査が着手されたのは46%、54%は家出などの扱いで捜査されていない。

   司会の羽鳥慎一が皮肉をこめて、「これを見ると事件性が認められるハードルって高いんですかね」話し、作家の吉永みち子はこう批判する。

「昔から、警察に相談に行っても、『事件が起きてから来なさい』という対応しかしてくれなかった。ならば私たちに『捜査権くれよ』となっちゃう。自分たちの仕事を増やしたくないという体質があるなら、警察庁が指導して改善しないと今回のようなことがボロボロ出てきますよ」

   それとも、上が適当にやっている時代を反映し、上意下達が効かなくなっているのか。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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