2018年 7月 22日 (日)

ライフログの落とし穴―知らぬ間に個人データから趣味・趣向解析

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   以前は多くの人が日記を付けていて、就寝前にその日の行動、感じたこと、あるいは仕事の結果や反省などを書き留めていた。今は携帯電話やスマートフォンに自分の記録を手軽にデジタルデータとして保存できるようになり、いわゆる『ライフログ』が急速に広がっているという。キャスターの国谷裕子は「どこまでも個人の行動が記録できるようになった時代、私たちは膨大なログとどう向き合えばいいのか。ライフログを生活の中に取り入れた人たちの姿を通して考えます」と語る。

1日に2600項目の情報

   ライフログの便利さは、いつどこで誰と会ったのか、食事の内容、読んだ本、アイデア、睡眠時間などを半ば自動的に記録し続けることができる点だ。ライフログを活用している人の1日を追ってみると、ログされている項目はなんと2600項目。喫茶店に入ったときのコースターから歯ブラシの交換時期まで記録されている。しかし、ライフログには日記のような体験や経験への懐かしみ振り返るという要素はないようだ。

   ゲストの糸井重里(コピーライター)は「ライフログを活用している人は別格。ネットにアップすることで自分で自分を管理したい。管理されたいという潜在意識がどこかにあるのではないだろうか」と分析する。

   国谷「さまざまなライフログを使いこなすことで、生活や仕事をより効率化したいと考える人が増えているのではないでしょうか。ログを残すことによって自己を肯定、確認しているのでしょうか」

   糸井「日記は自分の秘密を吐露するものだった。でも、ライフログは秘書としてゲーム感覚で使っていることも考えられます」

広告サービスに活用はじめた企業

   ネット上に残される膨大な個人の記録データを解析し、個人の趣味や趣向を割り出して広告に生かすなど新たなサービスに乗り出す企業も出現している。糸井は「自分の手で書き留めるということが、人生を豊かにすることに繋がると思います。たとえば、役者が泣き顔をしたときの思いを書き留めておけば、次に泣き顔をするときの基礎になり、よりリアルティーのある泣き顔ができる。自分の手で書くというのは、その思いが残るので大事だと思います」と話す。アナログの日記ならそれが可能だが、ただ記録が残るだけで記憶として残っていかないライフログは、自分を見つめなおすというところまではつながっていかないというわけだ。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2012年4月9日放送「自分の人生、どこまで記録?~広がる『ライフログ』~)

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