赤塚不二夫見直した!2人の妻と「奇妙な三角関係」の幸せ

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「これでいいのだ! 赤塚不二夫と二人の妻」(NHK BSプレミアム)2012年4月8日22時~

   マンガを読まない筆者には赤塚不二夫がどんなに天才だったのか全くわからない。「天才バカボン」も1度も読んだことがないし「おそ松くん」も知らない。世評は聞いているが、メディアに出た生前の赤塚は「なんか汚いオジサン」という印象だった。顔も醜男の部類だし、破滅型の大酒のみという伝えられ方をしていたからである。
   このドラマを見て霧が晴れたように赤塚(池田鉄洋)がわかった気がした。先妻、登茂子(国生さゆり)と後妻、眞知子(黒谷友香)は共にさっぱりした性格でウマが合い、内心はともかく仲良くする。先妻の1人娘、りえ子の目から見た奇妙な三角関係(?)では、赤塚の優しすぎるが故の優柔不断が引き起こしたややこしい成り行きのようにも見え、それはそれで説得力がある。男と女の間柄は1+1=2にはならないからである。わかっていることは、どちらの妻も赤塚という天才の才能を愛でて、放っておけなかったのだろう。だから、皆が赤塚を支える。つくづく彼は幸せな男だったのだ。
   マンガといえど創造の苦しみは筆舌に尽くしがたい。アシスタントだった登茂子が「おそ松くん」のアイデアの生みの親であり、且つ、眞知子との再婚を勧めたのも彼女である。寝たきりだった赤塚が登茂子の死の3日後に息を引き取ったという因縁話のような事実は、天才の心の裏面と登茂子への愛を垣間見せているようにも思える。カメラアングルに才気が感じられるショットが随所にあった。

(黄蘭)

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