草彅剛いいひと卒業!ハンディある研修医のしたたかさ好演

印刷

「37歳で医者になった僕 第1回」(フジテレビ)2012年4月10日22時~

   草彅剛にはかつてヒットした「僕」シリーズがあった。知恵おくれの青年の話、子育てしながらサラリーマンを続ける人間味を失った能面のような顔の青年の話、いづれも世間の荒波に耐えて生きてゆくハンディのある男の姿に視聴者の共感が集まった。今回も、なにせ37歳ものオジサンが研修医なのだから、病院内で外敵に晒される話なのかと思ったが、どっこい、びっくり、逆なのである。
   一流企業の社員だった紺野祐太(草彅剛)は30歳を過ぎてから、恋人のすず(ミムラ)の病気を治したいと退職して医者になった。研修医として入った大病院は権力者の佐伯教授(松平健)ほか、指導教官らもゴリゴリの権威主義で、嚥下障害の患者に無理やり手術を施そうとする。紺野はカンファレンスの場でも、いちいち非効率な資料や対処の仕方への疑問符をぶつけてゆく。つまり、会社員時代の経験が客観的な視点を与えているわけで、軋轢も多いが、患者の立場からいえば、まことに有難い医者ということになる。
   原作(川渕圭一)がある強みで、弱い立場の患者が、上から目線の医者に抵抗する困難さを味わっている者にとっては快哉な話である。いかにも関西テレビ制作らしい捻りのある医者ものだ。草彅剛も歳を取った分だけ「いいひと」を卒業して、ある意味したたかな男を好演している。難をいえば、大秀才のエリート研修医になる水川あさみ、演技下手な彼女は贔屓しても切れ者女性には見えない。

(黄蘭)

採点:1
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中