木嶋佳苗事件・裁判員経験者の模擬評議「綿密で真剣」素晴らしい

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「NHKスペシャル 木嶋被告・100日裁判」(NHK)2012年4月15日21時~

   首都圏で3人の男性を練炭自殺と見せかけて殺した疑いで逮捕された木嶋佳苗被告の裁判員裁判についての考察である。ゲストは映画監督の周防正行と他は既に裁判員を経験したことのある一般市民だ。司会は三宅民夫。裁判員制度では公開の裁判の後で、いざ被告の罪の有罪か無罪を協議する別室での評議については非公開だ。
   そこで、番組では経験者たちが自由に討議する模様を撮った。彼らはみんな記録を読み込んできている。周防はそばで聞く。直接証拠のない事件だけに、提出された少ない状況証拠から類推するしかない。最初に他殺だと疑われた41歳の男性の手に、自殺だったら持ち上げた時の練炭の粉がついているはずと検察側が言っているので、市民の男性が自分で練炭を触ってみる。結論は手をズボンで擦ったぐらいでも見た目の痕跡は残らないのだ。
   精密な指先の付着物の科学的検査もされていないので、捜査の杜撰さが指摘される。科捜研はドラマだけなのか。他の2人の死因についても最初は木嶋と結び付けて見られなかったらしい。全く田舎警察はどうしようもない。犯罪者の方が悪知恵も働かせ、ネット情報で新手を考え出す時代に、警察の方が旧態依然なのではないのか。周防は「1つ1つをとことん議論する裁判員たちはすごい。職業裁判官だと曖昧なままスルーするのではないのか。裁判員裁判は素晴らしい制度だ」と傍聴の感想を述べていた。まことに同感である。

(黄蘭)

採点:1.5
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