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京都「居眠り暴走事故」被害者の名前出ても加害者は出ない18歳

   きのう23日(2012年4月)朝、京都・亀岡市で集団登校中の小学生の列に軽乗用車が突っ込み、10人がはねられた。このうち2年生の女児(7)と引率していた保護者の女性(26)が死亡、2人が意識不明の重体で6人が重軽傷を負った。女性は妊娠7か月でお腹の子も助からなかった。

   軽乗用車を運転していたのは市内に住む少年(18)で、一晩中、京都市内などを走り回っていたといい、事故について「居眠りをしていた」と話している。現場にはブレーキ痕がなかった。京都府警は少年を自動車運転過失傷害の現行犯で、同乗していた大学生と専門学校生(ともに18歳)を同幇助容疑で逮捕した。3人とも免許証はもっていなかった。

かなりのスピードで小学生・保護者なぎ倒し

   現場は車のすれ違いがやっとの幅の狭い府道だ。小学校まで200メートルのスクールゾーンだが、ガードレールなどはない。並行して走る国道の渋滞を避ける車の抜け道になっていて、午前7~9時までは一方通行に規制されていた。このためかえって車はスピードが出せる状況にあり、専門家は事故を起こした車もかなりのスピードで突っ込んだとみている。

   司会の加藤浩次「起きなくていい事故ですよ」

   キャスターのテリー伊藤「被害者、遺族には納得できない事故ですよ。なんで無免許で運転してんだ」

   現場にはレポーターの大竹真がいた。ちょうど前日に事故があった時間帯だが、この日は通学の子どもたちは迂回していて姿はなかった。現場にはたくさんの花束。道幅は本当に狭く、子どもたちが歩いていたのは側溝にカバーをかけた間に合わせの「歩道」だった。脇に白い線が引いてあるだけである。マイクを持つ大竹のすぐ背中を車が通り過ぎる。

無免許でも量刑変わらぬ矛盾

   軽乗用車は子どもたちの列に後ろから突っ込んだ。最後尾にいた付き添いの女性が真っ先にはねられ、車はブレーキも踏まず全員をなぎ倒して、住宅の石塀沿いにあった植え込みも蹴散らしてようやく止まった。救急車のほか、ドクターヘリ2機も出動したが、搬送は子どもたちが先になって、亡くなった女性は最後に救急車で運ばれたという。連絡でかけつけた夫も一緒に乗ったというから、かなりの時間が経っていたと思われる。7月に3人目の娘を出産予定だった。夫は「殺した男は生きているんですよ」とやり切れなさを口にしていた。通学中の長女も重傷を負っている。女性の父親は「悔しいやろな。 被害者の名前は出ても、18歳というだけで加害者の名前は出ない。人を殺したんですよ」

   自動車運転過失致死傷は、「7年以下の懲役・禁固または100万円以下の罰金」、同幇助(従犯)は「懲役・禁固6か月、罰金15万円以下」だ。今回はこれに「無免許」がつく。が、量刑は変わらないという。テリーが「おかしいと思いません? 免許持ってる人と一緒だ。なぜ危険運転にしない?」

   弁護士の菊地幸夫「危険運転だと刑が20年と重くなる。ただ、条件が必要で、無免許はそれに入っていない。議論はあるが…」

   テリー「オートマチックはだれでも乗れる。無免許は重罪にもなるんだという意識をもってもらわないと家族は納得できないでしょう」

   加藤「おかしい。無免許は危険運転でしょう」

   どんな対策をとって法令を整備しても、居眠りには勝てない。意識を持たせるには厳罰しかないのか。何とも空しい思いになる。