2018年 7月 22日 (日)

沢尻エリカ合格点!男手玉にとる「可憐な女」怪演

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「ドラマ特別企画 悪女について」(TBS)2012年4月30日21時~

   監督・鶴橋康夫、脚本・池端俊策、主演が5年ぶりの沢尻エリカとくれば見ざるをえまい。某新聞の紹介欄に「悪女か聖女か」と書いてあったので笑ってしまった。筆者に言わせればこの主人公、富小路公子(沢尻エリカ)は、悪女どころか、ぐうたら母親(余貴美子)から何もしてもらえずに育った中、ただ1人で簿記の夜学に通い、現状から這い上がろうと必死で努力した極め付きの可愛い女だ。
   八百屋の娘に生まれ、ご大家の布団部屋に居候させてもらい下女の様にこき使われている間に上流の言葉を覚え、当家の長男(渡辺大=謙の息子で似てる!)の心を虜にし、簿記の教室で知り合った宝石商でラーメン屋の親父(船越英一郎)と、そこで働く左翼崩れの学生(上地雄輔)と、3人の男と懇ろになり、息子を2人産んで女実業家として成功し、ビルから翔んで死んだ女の一代記である。
   何が面白いといって、現代と違い、昭和30年代後半にはDNA鑑定という技術がなかった。だから、身に覚えのある3人は、それぞれが自分の子供だと思っているが藪の中。黒沢明の「羅生門」みたいで、公子には深遠な意思など恐らくないにもかかわらず、3人3様に男たちは自己と公子の距離にこだわり愛を計る。原作の有吉佐和子のシニカルな女の目が男を射る。余貴美子の母親が素晴らしいが沢尻も合格点で、結果として男を手玉に取っているのに、そうは見えない可憐な女として怪演である。冒頭の俯瞰図がいかにも鶴橋演出らしい。

(黄蘭)

採点:2
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