2024年 3月 29日 (金)

「生涯一助産師」日本最高齢88歳―取り上げた赤ちゃん4000人

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   助産師歴68年、取り上げた赤ちゃんは4000人、88歳でなお現役という日本で最高齢の助産師がいる。和歌山県田辺市で開業する坂本フジヱ助産師の自宅兼助産所には、こんな看板が掲げられている。「年中無休」と書かれた次に、「正常分娩取扱」「産褥入院」「母乳相談」「育児相談」「安産教室」「思春期相談」「家族計画指導」と続いている。

   この助産所には、出産や育児に不安を抱える妊婦や母親たちが引きも切らず、「ホンマは隣に引っ越してきたいくらい」「もやもやしていたことがスーとする。消えていくんです」と話す。そして、ここで出産した母親たちは口々にこういう。「もう1度ここで産みたい」

「さあ、お産が始まるで。潮満ちてきたら産まれる」

   ある日、予定日を過ぎた妊婦から「陣痛が始まった」という電話が入った。「さあ、お産が始まるで」とおばあちゃん助産師は哺乳瓶の消毒などの準備を開始。そして、あることを新聞で確認するのを忘れない。「昔から言うんですよ、『潮満ちてきたら(満潮になったら)産まれるで』って」

   陣痛で悲鳴をあげる妊婦がやってきた。痛みを少しでも和らげるため腰をマッサージする。陣痛の間隔が短くなり、妊婦を分娩台に移しいよいよ出産。

   2時間後、「オギャー、オギャー」と元気に出てきた赤ちゃんを母親が両手で受け取る。「自分で受け取ったらものすごい気分ええやろ」というおばあちゃん助産師の言葉に、母親が笑顔でうなずく。2676グラムの女の子だった。

   でも、助産師の仕事はまだ終わらない。無理ができない母親の代わりに赤ちゃんの世話。深夜にオムツを替え、お腹の空いた赤ちゃんに母乳を与えるために母親のもとへ。就寝したのは午前4時過ぎだった。ところが、朝6時には起き出して、母親のために栄養たっぷりの朝食を作る。どの母親も「実家に戻った気持になる」という。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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